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金融市場異論百出

ロック歌手も怒る米所得格差
FRB追加緩和策への影響度

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年5月23日
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 米ロック歌手ブルース・スプリングスティーンの新作アルバム「レッキング・ボール」には、昨年米国で大規模化した運動「ウォール街を占拠せよ」を支持するメッセージが込められている。

 彼は今年2月のパリでの記者会見で、次のように語った。「このアルバムの前半は、怒りだ。“平等な競技場”という考え方が破壊されてしまった」「2008年に巨大な金融危機が生じたが、説明責任はまったく果たされていない」。

 米国のシンクタンクEPIが「CEOの給与とトップ1%」という論文を最近発表した。スプリングスティーンの問題意識に沿った内容である。1979~05年の米国のトップ1%の所得増加の58%は金融関係者だった。また、78~11年に労働者(非管理職)の給与の平均は5.7%しか上昇していないが、同時期に売上高上位350社の株式公開企業CEOの報酬(オプション行使を含む)の平均は759.3%増加した。

 労働者の給与に対するCEOの報酬の比率は、65年は20.1倍だったが、2000年に383.4倍、07年に351.7倍を記録。リーマンショック後の09年に193.1倍へ低下するが、昨年は231倍へと再拡大を見せた。このような環境はFRBの金融政策にも負担をかける。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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