FRBPhoto:PIXTA

 米国の中央銀行である連邦準備理事会(FRB)は、11月28日、金融安定報告(FSR)を初めて公表した。

 金融システムの安定に関する自らの考え方を説明する必要を感じたからだという。

 ただ金融システムの現状についての認識や分析には目新しさはなかった。筆者にはむしろ、金融安定化を図るうえでFRB自体がいくつかの課題を抱えていることを感じた。

初めての金融安定報告
金融システム安定化の考え方を説明

 先進国の間では、最初にこうした報告を公表したイングランド銀行だけでなく、日本や欧州大陸の多くの中銀が、長年にわたって同様なレポートを公表してきただけに、FRBが今になって金融安定報告を公表し始めたことに、意外な印象を持つ人が多いかもしれない。