大安売りのセールを実施しても、復活は果たせなかった大塚家具大安売りのセールを実施しても、復活は果たせなかった大塚家具 Photo:DOL

経営再建中の大塚家具が、第三者割当増資で38億円を調達する財務増強策を公表した。複数の取引先や米系ファンドが絡む複雑な増資スキームの背景には、中国を舞台にした関係者のさまざまな思惑が交錯する。(『ダイヤモンド・オンライン』編集部 田島靖久、『週刊ダイヤモンド』編集部 重石岳史)

ギリギリのタイミングで
約40億円の資金調達

 瀕死の状態から一命をつなぎとめる、とりあえずの輸血に間に合ったというところか──。経営再建中の大塚家具が2月15日、第三者割当増資で約38億円、さらに新株予約権を発行し最大で計76億円を調達する資本増強策を公表した。

 同日発表した18年12月期決算は約32億円の当期純損失となり、3期連続の赤字が確定した。昨秋実施した最大8割引の「在庫一掃セール」により10、11月の月間売上高は前年実績を上回ったが、通期で見れば来店客数や売上高の減少に歯止めがかからない。企業としての存続に疑義を示す「ゴーイングコンサーン(継続企業の前提に関する注記)」は付記されたままだ。

 店舗の閉鎖などで資産は大幅に目減りしており、大塚家具が生き残るためには資金調達が欠かせない。監査法人からも、「このままでは決算を承認できない」と通告されていた。そこで同社の久美子社長は昨年6月以降、すでに資本・業務提携している貸会議室大手のティーケーピー(TKP)や家電量販大手、そして国内の取引先ら10社以上に支援を仰いだが、いずれも破談に終わっている。