仕事が決まる人決まらない人仕事の基本を愚直に大切にし、身に付けているシニアは強い Photo:iStock/gettyimages

新卒と違ってキャリアの量も質もばらばらのシニアの採用は難しい。人事のコンサルタントたちは、「仕事が早く決まる人、決まらない人には明確な違いがある」と厳しく指摘する。*本記事は『週刊ダイヤモンド』2018年7月14日号『定年後も稼ぐ!働き方』を再構成したものです。

 シニアの転職や再就職における最大のミスマッチは、採用される側とする側の能力評価をめぐる認識の食い違いだ。シニアは、自身の経験やキャリアに自信があり、定年前に上位役職者であった人ほどその傾向が強い。しかし企業側から見ればしょせん、そこそこの年配者でしかないのだ。

 シニアの就職あっせんや紹介を行ってきたコンサルタントたちの話を聞いていくと、転職や定年後の再就職では、「仕事が早く決まる人、決まらない人」の間に明確な違いがある。一口で言えば、「60歳までのキャリアを一度リセットできるかどうか」だ。

「再就職で最も仕事が決まりにくく、かつ採用先から嫌われるのが、現役時代のキャリアやプライドを引きずっている人」

 人材紹介会社、CEAFOMの郡山史郎社長はそう指摘する。現役時代の高給を当たり前と思っており、それと同レベルの給与を求める。しかしそんなケースは、よほど特殊な技能を持っていない限りあり得ない。