ボーイング墜落事故があぶり出した日本メーカーの「力量不足」写真:AFP=時事

米ボーイングの最新小型旅客機「737 MAX 8」の墜落事故は、その悲惨さに反して日本の航空業界へのインパクトは当初、限定的だと見られていた。だが4月5日、ボーイングが今月中旬からの737 MAX2割減産を発表。早期の運航再開に暗雲が立ち込めてきた。737 MAXの事故は、期せずして同業界の抱える “根本課題”をあぶり出すきっかけにもなっており、日本サイドも対岸の火事と決め込むわけにはいかなくなっている。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

 「同型の最新機がわずか5カ月の間に2度も墜落するなんて、前代未聞だ」

 航空業界関係者は驚きを隠さない。米ボーイングの最新小型旅客機「737 MAX 8」の墜落事故(昨年10月のインドネシアのライオン航空610便と、3月のエチオピア航空302便)が立て続けに発生しているからだ。

 737 MAXといえば、ボーイングの主力小型機「737」の最新機として開発された人気シリーズである。総受注数は2月末で5012機を誇り、受注残ではボーイング全体の約8割を占める。