「文字情報」しかないときの用語の覚え方

 私は教科書に「文字でしか出てこない」人物名や用語を覚えるときは、その人物と同じ苗字の有名人や友人の顔をイメージしたり、その用語と似た響きの別のワードをイメージしたりして覚えています。

 たとえば、
・ 「侘び茶の創始者である村田珠光という人物」を覚える際には、「ボクシング金メダリストの村田諒太選手が茶室でお茶を飲む」様子をイメージする
・ 「ジメンヒドリナートというめまい改善の医薬品」を覚える際には、「めまいがひどくて地面(ジメン)に突っ伏している」様子をイメージする

 などです。

 こうした作業には、あるワードからそれに似た別のワードを素早く連想できる「ダジャレスキル」や、イメージをつなぐワードのストックである「語彙」が大いにものを言います。ビジュアルイメージをイラスト化までできる「お絵描きスキル」があれば、なおよしです。

 暗記・記憶というのは文字情報そのものを脳に刻み込む作業ではなく、「イメージを自分の中につくる」作業です。

 たとえば「愛」や「勇気」といった言葉を認識する際も、頭の中では辞書的に文章で意味を定義することによってこうした概念を認識しているわけではないですよね。「こんな感じのもの・こと」という、なんとなくのイメージとして認識しているはずです。

 そのため、「どのようにイメージ化して覚えるか」を明確に意識することは、記憶の定着にとても効果的なのです。

 特に、日本史や世界史は、マンガや映画などのビジュアルで勉強するに限ります。

 ストーリーを追うような勉強は、文字だけだとイメージしにくいからです。

 小説と映画の違いを考えるとわかりますが、小説よりも映画のほうが、鑑賞し終わったあとにもかなり細かい点まで印象に残り続けているはずです。

 私も小学生のときに読んだ歴史マンガのイメージがいまだに記憶に強固に残っていて、歴史上の人物名や出来事の名称を聞くと、そのマンガの場面が真っ先に頭に浮かぶくらいです。

 今勉強している内容がマンガ化された書籍やウェブサイトなどがもしあれば、ぜひ副読本として一読してみるといいでしょう。