東京・永田町では自由民主党総裁任期の上限を引き上げて安倍晋三首相の“4選”を期待する声が上がっている。そんな中、ポスト安倍の一人と目されてきた石破茂・元自民党幹事長は、重要課題であるエネルギー政策を真正面から語らない安倍首相に物申す。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

特別インタビュー・石破茂氏Photo by Masato Kato

――民主党から政権を奪還した後の安倍政権は非常に強固な政権基盤を持っていました。いろいろな政策課題を前進させることができるはずですが、エネルギー政策は大して変わっていません。

 何も進んでいない。それなら何のための自民党1強なんだと。自民党1強という状況を生かさなければ、自民党は国家に対する責任を果たすことができない。嫌なことに正面から向き合わずに先送りするのは、次の時代のすごい負担になる。それは国家そのものをつぶしかねない。

 だから私は、嫌なことを先送りするという対応を変えようとしない安倍政権に批判的です。北方領土問題が何か前進しましたか。拉致問題が何か前進しましたか。エネルギー問題が何か前進しましたか。してないでしょう。

エネルギー自給率と
自主防衛力は似ている

──特に原子力問題に関しては避けたがっているように見えます。

 選挙の票にも人気にもつながらない。だけど、それではいけない。エネルギー政策、原子力問題は絶対に避けては通れない。この国がどうなってもいいと思うならば避けてもいいでしょう。でも、そんな考えなら、政治家を辞めるべきでしょう。