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エコカー大戦争!

自動車部品まで模倣品が氾濫!
エコカーの未来を蝕む中国の深い闇

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第12回】 2009年10月8日
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 結論から言おう。

 中国全土で氾濫している日系メーカー用自動車部品の模倣品の撲滅は、事実上不可能である。悲しいかな、それが現実である。

 中国で自動車部品の卸販売・小売業者が集まった市場が中国の至る所に存在し、その市場を「汽配城」という。これは企業名ではなく一般名詞だ。ここで扱われている部品の多くが、メーカー純正部品の模倣品である。パッケージにはあたかも純正部品のような自動車メーカーのロゴが印刷されている。

 街の自動車修理工場は、より安価な部品を求めて汽配城で模倣品を買う。修理工場の顧客に対して、より高価な純正部品代を請求して利幅を稼ぐ。または、修理代を通常料金から大幅値下げして、他の店からお客を奪い取る。

 こうした違法販売について、中国に進出している日系自動車メーカーは積極的な撲滅活動を行っている。

汽配城内の店舗。メーカーから授権されていないにもかかわらず、堂々と看板にロゴを使用している。基本的にメーカーは、このような店舗に純正品を卸してはおらず、模倣品が販売されている可能性が高い。

 筆者がマツダ中国企業管理有限公司(Mazda Motor China CO.,Ltd)の北京事務所を訪問した際、知財(知的財産権)を担当する、同社の水島浩治氏が上海出張から戻ってきたばかりだった。出張の目的は、マツダ2(日本のデミオ)などを製造している長安フォードマツダの本拠地、南京周辺の汽配城での実態調査だ。

 「彼らはウチとは無縁なのに、堂々とマツダやフォードの看板を掲げています。調査はかなり大変でした。1店舗あたり約30品目あり、その真贋鑑定に2~3時間かかりました。模倣品のなかに、正規品を交ぜるなど、手口は巧妙です。調査中、店内には嫌な緊張感がありましたが、現地の行政関係者が同行していたので、なんとか仕事をこなせました」(水島氏)。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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