時間の逆比で速さを求め、線分図を書いて距離を考える

 問いは2つある。

 (1)太一君の歩く速さ(分速何m)
 (2)太一君の自宅から学校までの距離(何m)

 歩く速さについて、まずは「ふだん」と「火曜日」に着目する。
 「3分間走ると、ふだんより8分早く着く」のだから、
 走って3分かかる距離を歩くと、3+8=11分かかる。
 「走る速さ」と「歩く速さ」の比は、時間の逆比で11:3となる。
 この点が理解できないと先に進めないのでじっくり考えてほしい。

 次に「ふだん」と「月曜日」に着目する。
 「99m走るのと歩くのでは1分の差」であり、速さの比は11:3なので、
 「かかる時間」の比は99÷11:99÷3=3:11となる。
 99mを、走るのにかかる時間を[3]、 歩くのにかかる時間を[11]とする。
 このとき、[11]-[3]=[8] となるが、この[8]が1分に相当するので、
 [3]=3/8分、[11]=11/8分となる。

 したがって、(1)の歩く速さは、99m÷11/8分=分速72mである。
 ちなみに、走る速さは分速264mとなる。

 (2)は線分図を書きながら考えてみよう。
 自宅から学校までの距離は、「走る速さ」と「歩く速さ」の比=11:3から、
 下の図のように、〈14〉mとする。

「麻布中」の計算問題は、なぜユニークなのか

 走った距離は赤線、歩いた距離は青線で示すと、
 水曜日と木曜日の図は次のようになる。

「麻布中」の計算問題は、なぜユニークなのか

 この2つの図を見比べると、〈4〉mの部分を走るか歩くかで4分差になっている。
 速さの比は11:3、かかる時間の比は3:11となるから、この差の8が4分にあたる。
 したがって、〈4〉mの距離を走るのにかかる時間は4分×3/8=1.5分となる。

 つまり、〈14〉mの距離を走るのにかかる時間は1.5分×14/4=5.25分となる。

 (2)の自宅から学校までの距離は、走る速さが分速264mなので、
 264×5.25=1386mとなる。


 答えは、(1)分速72m、(2)1386m