最短で腹が凹む
植森式ダイエットドローインとは?

 ここまで、お腹を引っ込める動作がいかに有効かをお伝えしてきました。そこで、みなさんに質問です。みなさんはドローインという言葉を聞いたことがありますか?

 じつは、私がおすすめしているお腹を引っ込める動作は、ドローインと呼ばれる運動の一種なのです。ドローインという言葉は、元来は、理学療法の専門用語です。はじめてこの言葉が使われたのは、1997年にオーストラリアで発表された、腰痛の運動療法に関する論文だといわれています。論文でお腹を引っ込める動きを「draw in」(内側に引っ張る、引き寄せるという意味)と表現したことをきっかけに、「ドローイン」という、いわば造語が用いられるようになりました。

 現在、ドローインはおもに病院でのリハビリやスポーツ分野、ダイエット目的で行われるようになりましたが、ドローインという概念を日本ではじめて紹介したのは、拙著『30秒ドローイン! 腹を凹ます最強メソッド』(高橋書店)で、2009年のことでした。同じドローインでも、こちらは私が20代のときから改良を重ねた、お腹を凹ますダイエット目的の運動がベースになっているので、理学療法で行われているやり方とは異なっています。

 ドローインは、効果的なお腹の引っ込め方が目的によって異なります。本書で紹介するのは、凹んだお腹になるための、植森式ダイエットドローインです。

 植森式ダイエットドローインでは、「お腹をできるだけ大きく引っ込める」のが基本となりますが、単に大きく引っ込めればよいかというと、そうではありません。より効率的に結果を出すためには、このあとお伝えするNG事項に気をつけるのがポイントです。なぜそのように行うかの根拠を理解することが、大きな成果につながります。慣れるまでは、できるだけ鏡の前で確認しながら行っていただくのが理想です。

1日1分で腹が凹む
植森式【基本のダイエットドローイン】

 ここでは、1日1分でお腹を凹ますために、筋トレ効果を追求した基本のドローインを紹介します。1回30秒で、お腹が凹むのに必要な筋肉をきっちり刺激します。この動きを1日2回行うのが、本書の基本メソッドです。

【基本のダイエットドローイン】

[1] 背すじを伸ばし、後頭部とかかとをつけて、壁際に立つ。
[2] 肩を引いて、肩の後ろを壁につけ、10秒かけてお腹を大きく引っ込める。
[3] 凹んだお腹を、壁に押しつけるように、さらに10秒お腹を引っ込める。
[4] 最後の10秒で、限界を超えるくらいの意識で、最大にお腹を引っ込める。

 ポイント/慣れてきたらターゲット箇所を中心に意識して引っ込める。

 いかがですか? 限界を超えてお腹を引っ込めることはできたでしょうか。

(次回へ続く)