富士フイルムの古森重隆会長兼CEO(最高経営責任者)
新製品発表の場で、「革新的な商品を紹介し続ければデジカメ市場を伸ばす可能性がある」と語った富士フイルムの古森重隆会長兼CEO(最高経営責任者) Photo by Masataka Tsuchimoto

 写真で“音”も写す――。

 光学メーカーの雄、富士フイルムの奇抜な発想に、業界関係者は「そう来たか」と感嘆の声を漏らした。

 1998年に発売し、「チェキ」の愛称で知られる富士フイルムのインスタントカメラ「instax(インスタックス)」シリーズに21日、新たに加わる「instax mini LiPlay(インスタックスミニリプレイ、市場想定価格1万7500円)」のことだ。

 チェキシリーズの製品特徴は、撮影したその場でプリントも楽しめること。2000年代にカメラ付き携帯電話が普及して「写メール」が流行ったことで一時期停滞したが、最近は「手軽にプリントできて新鮮」とデジタルネイティブな若者を中心に人気を回復。世界100ヵ国以上で販売されており、累計出荷台数は4500万台にものぼる。