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柏木理佳 ビジネスで勝つ!中国人との付き合い方

中国で人材を採用する際、履歴書には要注意

柏木理佳 [生活経済ジャーナリスト]
【第6回】 2009年9月10日
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 「日本語検定の合格書類のコピーも用意させたのに友人の書類をコピーして、自分の名前に書きかえてたらしい」

 「過去に、実際に嘘が発覚したことがある。それでも開き直られた。『書類に偽造があった場合は、その時点で採用を取り消す』と契約書に書いてあるのに、逆切れされ通用しなかったこともある」

 「問題が起きてから保証人に電話したら、『保証人になったつもりはない。勝手に名前つかわれただけ』の一点張りでどうしようもなかった」

 中国人を採用しようとした際に、このようなトラブルをよく聞く。人材ビジネス会社は「中国人を採用するときには、書類に偽りがあることが多い。最初から書類の内容をあてにしないように」と注意を促す。実際、中国では「就職のための偽造証明書つくります」とうたった看板をあちこちで見かけ、繁盛している。

 なぜ、こんな問題が起きるのだろう。

 私も企業や大学で中国人の採用のため、面接官を担当したことがある。あるとき、マネジャーポジションを一人応募したところ、30歳の中国人男性が募集してきた。

 「日本ではどのような仕事をしていたのですか?」

 聞いたこともない日本企業に3年間勤務していたと履歴書には書いてある。インターネットで検索しても出てこないことについて質問すると「すでに倒産したみたいだ」と返事が返ってきた。そして、動揺することもなく、堂々と「日本企業での習慣は十分に身につけており、営業成績も一番、管理者としても能力が発揮できた」と自己PRした。

 「日本では誰と住んでいたのですか?」

 「私の中国の実家は日本との貿易の仕事をしており金持ちである。日本では叔父さんと住んでいました。」

 履歴書に多少の間違いがあっても反省も動揺もすることもなく、質問ごとに実家や自分が有能であることを自慢するのだった。

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柏木理佳 [生活経済ジャーナリスト]

豪州の大学へ進学後、香港にて勤務。1994年、中国の北京首都師範大学漢語科に留学後、シンガポールで会社設立等に携わる。豪州ボンド大学院MBA取得。中国経済の研究員としてシンクタンク勤務後、嘉悦大学准教授。国土交通省道路協会有識者会議メンバーも務める。現在、嘉悦大学付属産業文化観光総合研究所客員主任研究員、北東アジア総合研究所客員研究員、NPO法人キャリアカウンセラー協会理事。2015年、桜美林大学院にて博士号取得。柏木理佳ホームページ


柏木理佳 ビジネスで勝つ!中国人との付き合い方

金融危機後の世界経済の牽引力として、ますます存在感を高める中国。多くの日本企業にとって、中国との関係強化は重要な課題だ。本連載では、意外と知らない中国人の気質、日本人との相違に着目し、ビジネスの場で中国人と渡り合うためのコミュニケーション術を説く。

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