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小沢グループの造反に理あり
理念を掲げて総選挙を実施せよ

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
2012年6月25日
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 社会保障・税一体改革に関する自公民3党の合意を受けて、明日26日にも消費増税関連法案が、衆議院で採決される見通しだ。これに対して、民主党の小沢(一郎元代表)グループは増税に反対し、離党も辞さない構えだ。今回の消費増税に関しては、小沢氏の行動は筋が通っている。今回の消費増税の引き上げには、反対せざるをえない。以下にその理由を述べてみたい。

代議制民主主義崩壊の
扉を開く愚行

 最も大きな理由は、明確な民主主義のルール違反である。03年の衆議院選挙以降、各政党が発表するマニフェスト選挙がようやく根付き始め、09年の衆議院選挙では、国民はマニフェストを参考にして民主党に投票し、政権交代を実現させた。

 そのマニフェストでは行政のムダをなくし、財源を組み替えることで、16.8兆円の財源をねん出して、増税は行わないと言っていたはずだ。実際の消費税率引き上げが、民主党の政権担当期間中より後に行われるから、マニフェスト違反ではないというのは、全く国民を馬鹿にした詭弁としか言いようがない。

 もちろん、情勢の変化でマニフェストがある程度修正されることがあってもよい。が、「増税を行わない」から、消費増税という増税路線へカジを切るのは、基本方針の大転換である。これを選挙もなしに行うということは、「うそつき」のそしりを免れない。何よりも、次回以降の選挙で、国民は何を根拠にして投票を行えばいいのか。今回のようなやり方は、代議制民主主義に対する不信と崩壊の扉を開くことになりかねない。

社会保障問題の本質は
本当に理解されているか

 二つ目の理由は、社会保障・税一体改革の問題の本質が、国民1人1人に十分に理解されているとは言えないことだ。日本の社会保障制度は、長い自民党政権下において、対症療法を重ねてきた結果、非常に複雑な仕組みとなっている。この結果、一部の官僚や専門家しか理解できず、国民はおろか「国会議員でも問題の本質が分かっていない」(某シンクタンンク専門家)。それこそが、最大の問題点なのだが、ここでは問題の所在を、ごく単純化して整理してみよう。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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