2019年3月に富士スピードウェイで「STI MOTORSPORT DAY」が行われた2019年3月に富士スピードウェイで「STI MOTORSPORT DAY」が行われた Photo by Naoki Yukioka

2019年3月に富士スピードウェイで「STI MOTORSPORT DAY」が行われたのは、スバルファンなら忘れられないイベントだろう。STI単独で開催された初めてのイベントが終わり早くも3ヵ月、スバル・STI・ファンは今後どう向き合っていくのだろうか。(取材・写真・文/ライター・フォトグラファー 雪岡直樹)

スバル・STIとは

 改めて基本的な部分を振り返る。スバルは国内で自動車を生産しているメーカーであり、「レガシィ」「インプレッサ」「フォレスター」などを生産し、トヨタと共同開発した「BRZ」を生産している。昔から「スバリスト」といわれる熱狂的なファンが多いメーカーだ。

 スバルの子会社でモータースポーツを担当しているのと、パフォーマンスパーツを製作したり、コンプリートカーなど市販車のカスタマイズを行っているのがSTI(スバルテクニカインターナショナル)だ。

東京三鷹のSTIギャラリー東京三鷹のSTIギャラリー Photo by N.Y.

 STIは市販車をベースにしたレースの最高峰といわれる、SUPER GT選手権にR&Dスポーツとタッグを組んで、BRZ GT300で参戦しているほか、ドイツで行われているニュルブルクリンク24時間レースにSTI単独で参戦している。

 さらに全日本ラリーや、激しいレースが繰り広げられているTOYOTA Gazoo Racing 86&BRZ RACEのワンメイクレースに参戦しているチームのサポートを行っている。これらはSTIが行う業務のメインともいえる部分だ。

STI創設30周年の記念イベント

 STIが創設されたのは1988年の4月。スバルがラリーに参戦しはじめ、モータースポーツへの対応が必要としてSTIが創設された。それ以降、初代レガシィのFIA公認10万km世界速度記録の樹立や、1990年代にレガシィやインプレッサでWRCへ本格参戦し、世界へスバルブランドの強さをアピールしていった。

 しかし、さまざまな要因により、2008年をもってWRCへの参戦を取りやめる。WRCと入れ替わるようにして始まったのが、ニュルブルクリンク24時間レースやSUPER GTへの参戦だ。