26日、衆議院本会議で消費税増税法案は可決された。賛成363、反対96(うち民主57)。これから参議院で審議するというが、衆議院で3分の2の賛成だったので、たとえ参議院審議で否決されても衆議院で再議決が可能で、その場合は消費税増税が決まる。また9月8日までと国会会期が長いので、もし60日参議院で審議しないとしてもみなし否決となって、これも衆議院の再議決可能である。言ってみれば、これですでに国会審議は「詰んでいる」。
残念ながら、4月5日付けの本コラム『すでに「増税翼賛会」は形成されている』で予想したような国民にとって最悪な結果になってしまった。
「ちゃぶ台返し」の可能性に
かけるしかない
26日、渡辺喜美みんなの党代表は、反対討論で「議場を見渡すと、約8割以上が増税翼賛議員になろうという、おぞましい光景です。1930年代の準戦時体制下で政党内閣制は崩壊しました。選挙の洗礼を受けない官僚内閣制が完成し、後に大政翼賛体制が確立、官僚ファシズムが横行しました。まさに、今、国会が増税官僚のシナリオに乗って、日本政治史の一大汚点を作ろうとしています」と述べた。そのとおりだ。
増税賛成派議員からは、実際に消費税引き上げを判断するのは、次期総選挙で国民に選ばれた新しい政府だから、その時に判断すればいいという言い訳も聞こえる。たしかに、増税を「ちゃぶ台返し」するには、解散・総選挙で消費税増税廃止・凍結法案を掲げる党が出てきて、政権交代するしかない。
ただし、この道ははるかに厳しい。というのは、賛成363を打ち破ることが必要で、それはほぼ反対派の新人が衆院の過半数を占めるということに等しい。さらに、もしそのような奇跡がおこったとしても、参院は制すことができない。そのため「ねじれ」になってしまって、消費税増税廃止・凍結法案は成立しない。