後閑:私のイベントに来られたある参加者は、価値基準を「楽しいほうを選ぶようにした」と言われていました。だから「お母さんの看取りが楽しかった」と教えてくださったのです。
 結婚して家を出たらお母さんとずっと一緒の時間はなくなるし、何かを一緒にする機会も減るけれど、最後に濃密に接して、いろいろ一緒にできたことが楽しかった、と。

大津:そうですね。「一人一人違うでしょ?」と、これまでの常識が少しずつ外れてきているのは、ネットなどを見ていても思います。
 自分自身にとってのハッピーを自分の基準で決めていく。
 それが当たり前になっていくと、楽になる人はいっぱいいるのではないでしょうか。
「HOL」ですね。Happy of Life!

後閑:それ、いいですね。

大津:たしかに「幸せの総量の多いほうを選ぶ」という考え方、いい視点ですね。
 難しいのは、例えば患者さんが点滴はいやだと最初に言っていても、やがて脱水で苦しい症状が現れた時に、点滴すれば楽になることをどう納得してもらうかといった場合でしょうね。
 だからこそ、あらかじめ十分話し合っておくことがすごく大切だと思うんです。
 患者さん自身が、絶対点滴はいやだと突っぱねるのではなくて、点滴をしたら具体的にどういうメリットがあるかを医師に聞いてみて、それが腑に落ちれば試してみればいいし、腑に落ちなければしない。そういうプロセスがとても重要だと思います。
 そこを大事にしてくれる医療者は必ずいるので、そういう医療者を見つけて、これはどうでしょうかなどと話し合いができるといいですね。

まとめ
(1)その時代の「死の常識」に捉われない
(2)自分の価値観を医療者に上手に伝えていく
(3)自分の価値基準で、幸せの総量の多いほうを選ぶ