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「もう一度日本を技術立国にする」――未踏の領域、ネットワークのクラウド化へひた走るベンチャー企業、ミドクラの加藤隆哉氏に聞く

【第13回】 2012年7月2日
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 自分でインフラを持つわけではないので、必要がなくなれば、すぐにやめることもできますし、逆に処理能力が一時的に必要になれば、その分だけの対応ができます。これは企業のコストダウンに貢献するばかりか、機会損失を防ぎ売り上げにも貢献することで、これからのコンピューティングはすべてクラウドになるのは間違いのないことです。もし、それを否定する人が日本にいたら、日本に先はありません。これからは10000%クラウドになります。

サーバー、ストレージ、ネットワークは
物理的にはなくならない

――ミドクラは、ネットワークのクラウド化に取り組んでいるということですが、それはグーグルやアマゾンが行っているクラウドのサービスとは違うものなのでしょうか。

 まず、当社は、クラウドインフラで利用するMidoNetというネットワーク仮想化技術を提供する会社で、サービスを提供する会社ではありません。

 グーグルは、グーグルという会社自体のインフラがクラウドで構築されていて、余裕のあるリソースを使って、アプリケーション・サービスを貸し出しています。アマゾンももともとは、世界中の人たちにEコマースを提供する巨大なインフラを自前で作っていて、空いているリソースがあるから、それを貸し出そうと、クラウド・プラットフォーム環境を提供するサービスを始めました。

 いずれも、巨大なインフラを持っている企業が、リソースが空いているから使ってもらおうということです。非常に自然な流れの話です。しかし、ベンチャーがこれから展開して勝負できるような分野ではないでしょう。

 ところで、クラウドがどれだけ発展したところで、物理的なインフラは絶対になくなりません。どれほど進化しても、三種の神器である、サーバー、ストレージ、ネットワークはなくなりません。つまり、計算する機能、データを蓄積する機能、データを送受信する機能を担う物理的な機器が必ずあるわけです。

 このうちサーバーとストレージについてはすでに仮想化技術、自動化技術が開発されていて、前述のように、グーグルやアマゾンのような巨大なインフラを持っている企業がサービスを提供しています。しかし、ネットワークの仮想化だけはまだ手つかずのままで、実は、そのことがボトルネックになり、全体の効率を下げているのです。

 最近、ネットワークでコンピュータが止まることがあります。それはみんながクラウドをするようになったのに、ネットワークが昔のままだから、止まってしまうのです。クラウド・コンピューティングが伸びるためには、ネットワークの部分を仮想化しないとクラウドのポテンシャルを100%まで活かせません。概念的に言うと、今はまだ50、60%しか使っていません。残りを使うにはネットワークの仮想化が必要です。ミドクラはその仮想化技術を開発しています。

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