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大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

「間違った公文書のまま既成事実化されてしまう!」
大川小の児童遺族が“第三者委員会設置”に憤る理由

加藤順子 [フォトジャーナリスト、気象予報士]
【第2回】 2012年7月2日
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2階の窓ガラスまですべてなくなった大川小の校舎。(2011年4月5日)
Photo by Yoriko Kato

 宮城県石巻市の大川小学校の児童遺族と同市教育委員会の溝が埋まらない。

 大津波で、全校児童108人の7割に当たる74人と教職員の10人が、死亡あるいは行方不明となった、学校管理下での犠牲者数としては例を見ない事故。あの日からまもなく1年4ヵ月が経つ。しかし、事故の具体的な「原因」や「責任」については、いまもはっきりしないままだ。

第三者の検証を望んでいたのになぜ?
遺族が「第三者委員会」設置に反対する意味

 市教委は今年6月初め、事故調査のための、「第三者委員会」の設置費2000万円を、市の一般会計補正予算案に計上した。

 市教委の説明によれば、入札でコンサルタントに事務局機能を発注し、専門家や識者による客観性を持たせた検証を行うことによって、遺族からの理解を得たいとしたもの。最終的な目的は、「防災教育の指針作りに生かすため」という。この予算計上がまた突然のことだったため、遺族たちのさらなる不安を呼び覚ました。

 この件を受けて、遺族有志が意を決して初めての会見に臨んだ様子は、前回の記事<「避難途中に大津波」はウソだった? 石巻市教委の矛盾で明らかになる“大川小の真実” >にて、紹介した。

 その会見の締めくくりで、吉岡和弘弁護士は問いを投げかけた。

 「予報とか津波対策をということを考えるのであれば、専門家が必要になってくるかもしれないけれど、遺族のみなさん方からすれば、知りたいのは事実なんですよね。子どもが、どういう風に最期を迎えたのか。その事実を知りたいという一点だとすれば、専門家という人はいらないはずなのではないか」

 そもそも、第三者による検証は、今年1月22日の児童の遺族向けの説明会と、2月4日の教職員の遺族向けの説明会において、児童、教職員双方の遺族側から出てきた発言が基になっている。

 「教育委員会が抱え込むには大変なことじゃないかと思うんです。専門家っていると思うんですけど、そういう方々の意見も踏まえてやっていくしかないのかなと思う」(児童遺族)

 「やっぱり第三者なりなんなり、そういうところが発信するっていうような方向にいかないと、みんな納得しないんじゃないか」(教職員遺族)

といった具合だ。それなのになぜ、児童の遺族たちは、賛同しないのか。その理由について、児童遺族側は、「このままでは間違った公文書を基に既成事実化されてしまう」と、会見の中でも訴えていた。

 これまで市教委が作成してきた聞き取り記録などの文書に、大きな問題があるとの指摘である。

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加藤順子 [フォトジャーナリスト、気象予報士]

気象キャスターや番組ディレクターを経て、取材者に。防災、気象、対話、科学コミュニケーションをテーマに様々な形で活動中。「気象サイエンスカフェ」オーガナイザー。最新著書は、ジャーナリストの池上正樹氏との共著『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)。『ふたたび、ここから―東日本大震災・石巻の人たちの50日間』(ポプラ社)でも写真を担当し、執筆協力も行っている。他に、共著で『気象予報士になる!?』(秀和システム)。最新刊は『石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する』(ポプラ社)。
ブログ:http://katoyori.blogspot.jp/


大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~

東日本大震災の大津波で全校児童108人のうち74人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校。この世界でも例を見ない「惨事」について、震災から1年経った今、これまで伏せられてきた“真実”がついに解き明かされようとしている。この連載では、大川小学校の“真実”を明らかにするとともに、子どもの命を守るためにあるべき安心・安全な学校の管理体制を考える。

「大津波の惨事「大川小学校」~揺らぐ“真実”~」

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