製造業と輸出という伝統的な成長エンジンが揺らぐ中、ドイツは新たな経済の原動力を見つける必要に迫られている。だが同国の時代遅れのインターネットがその行く手を阻んでいる。ネットワーク環境の嘆かわしい状況は、国中でジョークの種になり、経済に重くのしかかっている。「スピードテスト・グローバル・インデックス」のネット通信速度ランキングによると、ドイツの通信回線の平均速度は固定ブロードバンド接続で世界33位、モバイル接続で47位と低迷している。これに対し、米国はそれぞれ7位と37位だ。通信速度の遅さは、幅広い産業のデジタル化を妨げ、製品やサービスを消費者に届ける際の障害となっている。これは、オンライン動画を手掛けるRTLグループ、音楽部門のBMG、出版社ペンギン・ランダムハウスを傘下に抱える巨大メディア企業ベルテルスマンのようなドイツ企業にとって頭の痛い問題を引き起こす。