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ダージャリスト・石黒謙吾の 「科学するダジャレ」~地アタマが良くなる知的メソッド

ダサいダジャレは「体言」単体でつながりナシ
「用言」としてセンテンスの中に滑り込ませたい

石黒謙吾 [著述家・図考師]
【第11回】 2012年8月7日
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ダジャレの押し出しが強すぎると
予定調和的なレスをせざるを得ない

 本来知的で粋な言葉遊びであるダジャレが、オヤジギャクなどと浜崎あゆみされる…いや、あゆされる…いや、揶揄される理由のひとつに、「いかにも面白いこと言いました」的に、会話の中で孤立しがちということが挙げられます。

 単語がポンと浮いている状態で、たとえばこんな。飲み屋で割り勘、支払時に1万円札しかない。相手にまとめて払ってもらうとする。

 「あちゃー、1万円札しかないわ。とりあえず立て替えといて。立て替えと言えば落語家だよな。立て替え談志。なんちゃって。がははは」

 おいおいオッサンオッサン…と誰しもそう返したくなるこの展開。なぜそうなるのか? さらっと流して次の会話に移りづらいからなのです。

 ダジャレを単語単体で押し出してしまっては、受け手側がそこに対してなんらかレスポンスを求められていると感じるもの。しかし、希有なダージャリスト志望者以外の大部分の人は、ダジャレで返すとか、粋なリアクションすることなどに慣れていない。そこで、予定調和的で誰にでも可能なレス、トホホ調で返さざるを得ないというわけ。みんな、ネタを拾ってあげるいい人と思われたいからこそ、相手の押し出しをだんだん疎ましく思うのですね。この状況が戦後日本の世の中に積もり積もって、ダジャレの迫害視につながっています。

 異論もあろうかと思いますが、自作である、立て替え談志は面白いと思っています。拙著『ダジャレ ヌーヴォー』にも収録しましたし。ですが、前述の例では、なんとも冴えない。では、さりげなくキラリと輝くためにはどう使うか?

 同じ割り勘状況でならこんな要領です。

 「あちゃー、1万円札しかないわ。とりあえず立て替え談志しておいてくれる?」

 これぐらい相手の意識の中でサラサラと流れるように使いたいところ。「気付かれなければそれはそれでいい。自分の知的な楽しみにできれば」と、謙虚に思うことです。これは連載第1回に書いたとおり。

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石黒謙吾 [著述家・図考師]

いしぐろ・けんご/1961年金沢市生まれ。映画化もされたベストセラー『盲導犬クイールの一生』をはじめ、『2択思考』『エア新書』『分類すると地アタマが良くなる』『ダジャレ ヌーヴォー』など、硬軟取り混ぜ著書多数。チャートを用いて構造オチの笑いに落とし込む「図考師」としての著書に『図解でユカイ』が。プロデュース&編集の書籍も幅広いジャンルで200冊を手がける。野球とビールと犬と笑いを愛する。全キャン連(全国キャンディーズ連盟)代表。
■ブログ=イシブログケンゴ
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ダージャリスト・石黒謙吾の 「科学するダジャレ」~地アタマが良くなる知的メソッド

40年間の蓄積から導き出した、ダジャレの記号学的構造解析。「ラップもダジャレだ!」ダジャレ界に革命を起こした伝説の書『ダジャレ ヌーヴォー』の著者であり、ダージャリスト、ダジャリエの石黒謙吾が、クリエイティビティの高い知的な言葉遊びをアカデミックに解説。助詞・助動詞を含めてはいけない、かかりの深さ、母音列&子音列の基本活用、差し替え・加減・倒置など構造の14分類、B面という考え方、遠回りの妙、知的なラリー……。単なるお笑いネタとは一線を画す内容は、地アタマを良くし、スマートなコミュニケーション力も。バカなやつほど「さむ~い」、デキルやつは「クール!」

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