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人生の最期をもって始まる相続だが、うまくいくためには生前、それも早くからの準備にかかっている。最も近しい親族が関係者となるだけに、誰もが納得できる相続にする責任が、財産を残す者に課せられる。一方で、大切な資産をできるだけ残すためには、税負担を抑制する対策も検討したいところだ。もちろん、スムーズに納税するための資金の準備も大切になる。課題の多い相続を円滑に進めるための考え方と解決の具体例を知っておこう。

遺産分割と相続税がトラブルの2大要因。
早めの対策が不可欠に

 相続は、“争族”と言われるほど、相続を受ける側も、相続させる側も、心配や不安が尽きないものだ。裁判所に持ち込まれる案件も増えている。そんな相続をスムーズに進めるにはどうしたらいいか。気になる相続税課税強化の動きと共に、ファイナンシャル・プランナーの峰尾茂克氏に聞いた。

今後、相続税の課税強化で
納税義務者が激増

 「相続に関する相談が、最近、着実に増えています」と明かすのは、ファイナンシャル・プランナーの峰尾茂克氏だ。「その内容は、遺産分割と相続税、二つの問題に集約されます」。実はこの二つ、相続トラブルの2大要因でもある。特に、資産課税強化の動きが具体化してきた一昨年あたりから、相続に関する相談が増えたという。

 相続税に関する一番の話題は、課税価格の合計額から差し引くことができる基礎控除額の縮小だ。現状では「5000万円+1000万円×法定相続人の数」となっているが、2011年度の税制改正大綱で「3000万円+600万円×法定相続人の数」となることが一旦、決まった。全体として基礎控除額が、従来の60%に縮小する計算だ。

 例えば、妻と二人の子が相続人の場合、従来8000万円だった基礎控除額が、4800万円となる。これにより相続税を納めなければならないケースが激増すると予想され、衝撃が走ったことは記憶に新しい。その後、東日本大震災の影響で実施が先送りされているが、今回の社会保障と税の一体改革議論でも俎上に載せられた。「近い将来、この方向で税制が改正される可能性は極めて高い」と、峰尾氏も見ている。相続税が、より身近な問題となるわけだ。さらに最高税率の引き上げ等一部税率の引き上げも予想される。「いずれにしても、15年1月からの税制がどうなっていくのかを注視する必要があります」。

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