在宅勤務の浸透には
ネット会議の質向上が不可欠

「ネット会議ではスキルが上がらない」と思うかもしれないが、トレーナーが根気強く、発言者や発言順の指名や指図をせずに、自発的な発言を促し続けていけば、発言までの沈黙の秒数や分数はだんだん短くなる。それだけ能動性、迅速性が高まっていくのだ。

 対面ではお互いに顔を見合わせて、誰が発言するかのすり合わせをしていたことが、ネット会議でも他の参加者の姿をビデオでお互いに確認しながら、同様のことがある程度できるようになる。

 ここまでくると、ネット会議による演習は、リアルの対面での演習と遜色なく行うことができるようになる。新型コロナウイルスの感染拡大を契機にして在宅勤務が一気に普及した。在宅勤務、ひいては働き方改革の実現は、ネット会議をリアルな会議に近づけることができるかどうかにかかっていると思えてならない。