心のバランスをとるシンクロニシティの実践

「閉じこもり生活の中、心を和らげ豊かにする」という類の情報やコンテンツは、既に日本も含め世界中でSNSや動画配信サイト等を通じ多く出回っています。また、皆さんも既にいくつか実践されていると思われます。

 従って本稿では、個々のこうした情報は扱いません。ただ、人のために利他的な行動をすると自分も幸せになることや、一時的な退屈が想像力を強くすることは多くの研究でわかっていることなので、この2点を意識するとよいと思います。こうした中、本稿では1つだけ大多数の人が汎用的に活用でき、またコロナ終息後も役立つと思われる「シンクロニシティ実践法」を紹介します。

 これは、前述の整理法1では左上の枠にある「(4)個人の要因~心の持ちよう」、整理法2では左下にある「自己の発見と変革」に位置するものです。

 既にご存じの方もいると思いますが、シンクロニシティの概念はスイスの精神科医ユングが心理学と量子力学の融合として提唱したもので、日本語では共時性と訳されることが多いようです。つまり因果関係のない2つのことが同時に起きることです。また今回シェアする実践方法としてのシンクロニシティは、「正負の法則」「心を知る技術」等多数の著書出版、講演、コンサルティングを世界各地で行う人間行動学の専門家Dr. ディマティーニの自己開発メソッドの1つとして使われているものです。

 筆者自身は心理学や精神医学は専門外ですが、今回敢えてこれをシェアさせていただく理由は2つです。1つは、筆者も2カ月に及ぶ閉じこもり生活の中で実際に使い役立っていること、2つ目は、筆者の研究分野の1つ「人がもつ自分の文化的コンフォートソーンを拡げる」ための手法に相通じるものがあるからです。つまり、多様な異文化(非日常・想定外・非常識)を知り、自分を常に客観的に俯瞰できる状態にする手法です。