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反日デモ、抗議活動の急先鋒「90后」世代は
“時代のヒーロー”か“紅衛兵の再来”か

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第106回】 2012年8月24日
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「愛国無罪」の名の下に
過激化する若者たち

 8月19日、日本の尖閣諸島の領有をめぐり、中国各地で反日デモが広がった。テレビのニュースには、デモ隊が公安の車をひっくり返し大暴れするシーンが映し出された。しかし、反日デモはあくまできっかけに過ぎない。「愛国無罪」という大義名分を借りた抗議の、その矛先が向けられたのは、高圧的に安定維持を続ける中国共産党にある。

 デモの参加者は、圧倒的に若い世代が多い。近年、中国各地でさまざまな抗議活動が繰り広げられているが、その急先鋒となっているのが、1990年代生まれの「90后(ジューリンホウ)」、今年13歳~22歳の年齢層に相当する。

 この夏、上海でも反日デモとは別の抗議行動が複数発生した。未払いの給与の回収を求め、飲食店で働く90年代生まれの従業員20人が上海市政府前の人民広場で抗議に出た。

 阻止しようとする数十人の警察官とにらみ合いに発展。中には「一歩でも近づいてみろ、俺は死んでみせるぞ」とすごむ者すらいたという。

 尻込みしないどころか、警察権力すらものともしない、90后特有の「恐いもの知らず」の一面だ。中国語のあるブログでは「彼らの気迫が警察を一時退去させた」とも綴られている。

 2011年9月には、広東省陸豊市烏坎村で大規模な村民デモが起こった。烏坎村の書記が、農民の土地使用権を許可なく香港のデベロッパーに売却、収用額と売却額の膨大な差益が発覚し、一大事件に発展したのだ。

 40年にわたって君臨した村の悪徳書記を引きずりおろすべく、村民らが選挙で代表を選ぶも、事態は長期化する。そして12月には、デモは人口の過半数を占める8000人規模にまで拡大した。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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