日本の消防車の60%超はモリタ製! 明治時代に開発した日本初のガソリン・エンジン付き消防ポンプを原点に、防災のリーディングカンパニーとして第一線を走り続けると同時に、環境と調和する社会の実現に向けて挑戦を続けているのがモリタグループだ。

「人と地球のいのちを守る」総合防災ソリューション企業モリタホールディングス
加藤雅義 代表取締役 社長執行役員

「街で活躍する消防車を目にするたびに、この仕事に携わってきて良かった、と心から思います」

 そう語るのは、モリタホールディングスの加藤雅義社長だ。グループ中核企業のモリタで、消防車の設計に長く携わってきた経歴を持つ。

 一口に消防車と言っても、消防ポンプ車、化学車、救助工作車など製品群は幅広い。中でも同社の主力は、国内シェアの実に9割を占めるはしご車だ。顧客の大半は国や地方自治体で、ユーザーの要望に合わせてオーダーメードで細かく作り込んでいく。

「どんな装備を搭載し、どうレイアウトし、どんな使い勝手を実現するか。現場の声をきめ細かく反映しながら、細部までこだわり抜いて形にしていきます。人のいのちに関わる製品だけに責任は重いですが、営業から設計、生産、検査まで、それぞれの担当者がものづくりに深く関与しながら誇りを持って仕事に取り組んでいます」(加藤社長)

 高いシェアを誇るのは「消防車輌事業」だけではない。「防災事業」の消火器のシェアは3割以上、「産業機械事業」の金属スクラップ用切断機のシェアは約7割、「環境車輌事業」の環境車両(バキュームカー)のシェアは8割以上……と、「防災」と「環境」にまつわる四つの事業分野それぞれで国内の市場をリードしている。

 業績も好調で、直近の2025年3月期の売上高が1117億円と過去最高を更新している。