長い歴史を持つ名古屋発の専門商社。鉄鋼から情報・電機、生活産業まで幅広い領域で事業を展開し、グローバル拠点は23カ国に及ぶ。地元の製造業との強固な信頼関係を基盤に「三現主義」を徹底。語学研修や早期抜てきを通じて“海外で戦える社員”を育成する。

幅広い領域で顧客の信頼を獲得。創業350年余の“総合的な専門商社”岡谷鋼機 人事総務本部
井野口弘之 本部長

 岡谷鋼機の創業は1669(寛文9)年、名古屋城下に打刃物商である「笹屋」の暖簾(のれん)を掲げたのが出発点である。以来、変化する時代と向き合って事業を革新、現在はものつくりに貢献する“グローバル最適調達パートナー”企業として発展している。

 事業領域は大きく四つ、「鉄鋼」「情報・電機」「産業資材」「生活産業」に分かれている。「鉄鋼」では鉄鋼や特殊鋼を、「情報・電機」ではエレクトロニクスや非鉄金属を、「産業資材」ではメカトロニクスや化成品を、「生活産業」では配管資材や食品などの分野を扱う。

「私たちは専門性を持ちながら、幅広い領域をカバーする“総合的な専門商社”と考えています。各事業領域の売上構成比も偏りが少なく、安定した事業基盤を築いています」

 そう説明するのは、人事総務本部の井野口弘之本部長である。

 長い歴史の中で製造業を支えてきた実績があり、現在ではグローバルなものづくりを支える存在として、国内外の多様なメーカーやパートナー企業との間に強固な信頼関係を築いている。国内では東京・名古屋・大阪を母店として展開し、世界23カ国に拠点を持つ。本店主導のプロジェクトがある場合、海外拠点を含め、部門をまたいで連携を取りながら機動力を発揮していくのが特徴だ。現地・現物・現人を重視する「三現主義」を基本に置く。

幅広い領域で顧客の信頼を獲得。創業350年余の“総合的な専門商社”名古屋市中区栄にある名古屋本店ビル

「350年余という歴史の中で、先人たちが誠実に取引を重ね、お客さまの信用を積み上げてきたからこそ、現在の商いが成り立っていると強く感じています。営業の基本姿勢は“顧客主義”。私たちが売りたいものを押し付けるのではなく、お客さまが本当に必要としているものを、独立系商社の強みを生かして提案します。例えば自動化・省人化を必要とされているならば、メーカーやSIerと連携しながら自動倉庫の提案を進めるなどです。納期を守り、適正な価格で提供することを最優先に考えています」(井野口本部長)