ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
inside Enterprise

アップル、サムスンに完勝
特許訴訟合戦の日本への余波

週刊ダイヤモンド編集部
2012年9月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 スマートフォンやタブレット型端末をめぐり、米アップルと韓国サムスン電子が世界各地で繰り広げている訴訟合戦で、アップルが大きくリードした。米カリフォルニア州連邦地方裁判所の陪審が8月24日に言い渡した評決は、サムスンが特許を侵害したとのアップルの主張をほぼ全面的に認め、約10億5000万ドル(約825億円)の損害賠償を命じるなど、アップルの完勝に終わった。

やっぱり似ている? 韓国サムスン電子のギャラクシーSIII(右)と米アップルのiPhone4S
Photo:REUTERS/AFLO
拡大画像表示

 角が丸い前面ガラスのデザイン、角が丸く四角いアイコン、画面をタッチして文字を拡大する方法、1本指と2本指のタッチを区別する方法──。サムスンが侵害したと認定されたアップルの特許の数々は、今やスマホなどではおなじみのデザインや機能だ。サムスンは「消費者にとって損失だ。選択肢を狭め、革新的な商品を生み出す機会が失われる」と評決に反発するが、旗色は悪い。

 「今でこそ当たり前のデザインだが、アップルの特許出願時点では存在しなかった。電話機の形や中身を一気に変える影響力を持つ偉大な発明と高く評価された」

 電機メーカーの特許に詳しい河野英仁弁理士はこう指摘した上で、iPhoneの登場を機にサムスンのスマホのデザインがいかに変わったか、陪審員にわかりやすく主張したアップルの法廷戦術が功を奏したとみる。両社の訴訟は、米国以外に日本など約10カ国でも進行中だが、河野弁理士は「米国で出た判断の影響力はある。他の訴訟は独立して判断が出るとはいえ、今回と矛盾することはやりづらい」と語る。

 勢いづくアップルは、サムスン端末8機種の米国での販売差し止めを申し立てた。これが認められても旧機種が対象のため影響は限定的との見方もあるが、調査会社IDCジャパンの木村融人シニアアナリストは「ハイエンドとミドルの両方を持つのがサムスンの強み。最新のギャラクシーSIIIを売りながら、量産効果のあるS2を売るという利益の源泉が切られ、厳しい状況に陥る」と話す。

 米国での損失をカバーするため、サムスンが目を向ける市場の一つは日本だ。IDCによると、4~6月期のサムスンの携帯電話出荷台数の国内シェアは11.3%で、1~3月期の2.3%から急拡大した。対照的にアップルは22.2%から18.8%までシェアを下げ、20ポイント近くあった両社の差は急接近している。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年3月4日号 定価710円(税込)

特集 文系こそ学べ 勝つための絶対スキル データ分析

統計分析 Excel入門 データに強くなる

【特集2】
コーヒービジネス大活況
サードウェーブの次に来る波

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


inside Enterprise

日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。

「inside Enterprise」

⇒バックナンバー一覧