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サムスン敗訴で露呈した韓国企業の意外なアキレス腱
技術とソフトから読み解く「スマホ覇権争い」第二幕

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第241回】 2012年9月4日
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米カリフォルニアでアップルが勝利
スマホ市場に変化をもたらす訴訟の意味

 8月24日、米カリフォルニア州北部連邦地裁の陪審は、米アップルと韓サムスン電子によるスマートフォンの特許技術侵害に関する訴訟について、アップル側の主張をほぼ全面的に認め、サムスンに対して10億5100万ドル(約830億円)の賠償支払いを命じる評決を下した。

 現在、アップルとサムスンは、わが国をはじめいくつかの国で同様の訴訟合戦を行なっている。その中で最も注目された米国での評決で、アップルの主張が認められたインパクトは小さくない。

 今後、サムスンは異議を唱えることになるだろうが、展開によっては、スマートフォンという単体のハード部分だけではなく、それに使う主要な部品、さらにはソフトウェアなどに関しても様々な変化が発生することも考えられる。そのマグニチュードは、想像以上に大きくなるかもしれない。

 サムスンとアップルは、単なるスマートフォン分野のライバル企業という関係ではない。サムスンはアップルと並ぶスマートフォン2大メーカーの1つだが、サムスン自身、世界屈指のIT関連の部品メーカーとしての性格も持つ。実際、アップル製のiPhoneやiPadの中にも、多くのサムスン製部材・部品が使われている。

 そのためアップルは、サムスンとの関係がこじれて、同社から部品供給を受けられない状況に陥ることはできない。しかしその一方、サムスンの台頭によってスマートフォンなどのシェアが落ち込むことを警戒せざるを得ない。

 結果として、IT関連技術の障壁によって、アップルはサムスンの成長をある程度抑えながら、短期的にはサムスンからの部品供給の安定化を図る戦略を取らざるを得ない。

 もう1つ頭に入れて置くべき点は、IT関連機器に使われるソフトだ。アップルは独自のソフトをスマートフォンに使っている。ところが最近、グーグルのアンドロイド陣営の伸びに押され気味だ。そのアンドロイド陣営の旗手がサムスンなのである。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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