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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

金融緩和オリンピック VS 世界経済“変調”
輸出連鎖の「新型感染」に警戒
――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]
【第76回】 2012年9月26日
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QE3での金利上昇は定石通り

 筆者は今年9月のテーマとして、3つのポイント、(1)「金融緩和オリンピック」、(2)「世界経済の変調」、(3)「世界の政局化」を挙げて議論してきた。

 図表1は、日米の10年国債金利の推移である。過去5年間の債券市場のバイオリズムは低金利に向かうなか、米国金融緩和の断続的カンフル剤投与で一時的な上昇を繰り返すものだった。

 2009年実施の米国FRBのQE1、2010年のQE2と、金融面のカンフル剤投入への催促相場で長期金利が低下し、実際に金融緩和の実施、カンフル剤投入で金利反転上昇が繰り返された。

 9月13日のFOMCで決められたQE3でも、実施に至るまでは金融緩和が期待されて長期金利の低下が続いたが、現実に実施が決まったことで反動が生じた。過去のQE1、QE2で繰り返されたように、今回も一定期間の長期金利上昇を想定する必要がある。

9月は「金融緩和オリンピック」

 2012年9月は、日米欧の中央銀行が同時に金融緩和のかつてない技を競い合う「金融緩和オリンピック」だった。まず、開幕は6日のECBで、南欧国債も含め国債を限度なく購入することに道を開くものだった。

 次いで13日のFRBのQE3は、2013年以降の景気見通し予想を上方修正しつつも時間軸を伸ばしてきた。それはFRBが「景気回復が強まっても、相当の期間にわたって極めて緩和的な姿勢を維持する」との強い意思表示につながる。

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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