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日中国交正常化40周年 どう中国と付き合うか

改革・開放後に驚異の急成長
中国経済の長期展望と日中経済の未来
――キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 
瀬口清之氏

瀬口清之 [キヤノングローバル戦略研究所主幹]
【第4回】 2012年9月27日
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1978年の改革・開放路線以降、中国経済は奇跡的な成長を遂げてきた。その発展経路を振り返り、同国が中所得国の罠に陥ることなく先進国入りするための課題は何か、緊張他高まる中で日中はどのような経済関係を構築していくべきかを考える。

改革開放以後の
中国経済の変化

(1)市場メカニズムの導入

 1978年12月に開催された第11期三中全会(中国共産党第11期中央委員会第3回全体会議)において、鄧小平の指導の下、経済建設の重視と改革・開放政策の採用に踏み切るという歴史的決定が行われた。

せぐち きよゆき/1982年東京大学経済学部卒業後、日本銀行入行。1991年4月より在中国日本国大使館経済部書記官。2004年9月、米国ランド研究所International Visiting Fellow。06年3月より北京事務所長。09年3月末日本銀行退職後、同年4月よりキヤノングローバル戦略研究所研究主幹、杉並師範館塾長補佐(11年3月閉塾)。10年11月、アジアブリッジ(株)を設立。

 それまで中国では、個人や企業の私有財産を認めず、国家が生産・販売・分配等の経済活動を直接コントロールしていたが、その歴史的決定を機に統制経済体制を改め、私有制と市場メカニズムを徐々に導入し始めた。1980年代前半、改革は農業分野から着手された。以前は個人の努力や貢献の大きさに関係なく、全員同じ水準に給与等が決められていたため、個人が努力をするインセンティブが薄く、生産性は停滞を続けた。

 ところが、私有制の導入後は、個人の生産・販売努力の成果としての収入増加が認められたため、個人のインセンティブが格段に高まり、生産性は大幅に改善した。農業分野での成功を踏まえて、80年代半ば以降はこの改革が企業経営にも導入され、やはり生産性の大幅な改善をもたらした。こうして1949年の建国以後、長期にわたって停滞を続けていた中国経済が、長い眠りから目を覚ました。

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2012年9月29日は、日中共同声明が出され両国の国交が正常化してらから、満40年を迎える。この間、経済の相互依存度は急速に高まる一方、政治や国民感情は親密・対立を繰り返してきた。人間でいえば、不惑の年を迎えたにもかかわらず、足下では領土問題を巡り、両国の国民感情は悪化している。世界第2位と3位の経済規模を持つ、両国の対立はアジアにとっても、世界にとっても、悪影響を及ぼすことは間違いない。長期的な展望に立ち、両国の関係をどう改善していったらいのか。各界の専門家・識者が、中国とどう付き合うかを提言する。

「日中国交正常化40周年 どう中国と付き合うか」

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