HOME

メタボリック

肝臓

腰痛・肩こり

高血圧・高脂欠症

うつ・ストレス

ニオイ

薄毛

老化防止

禁煙

男の病気

高脂肪食で肥満を制す!?
時間厳守で代謝リズムを改善

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第121回】

 糖質制限だ、いや低カロリー食だと新説が出るたびに「結局、何を食べればいいの?」と頭を抱えるダイエット。献立がころころ変わるご家庭もあるだろう。ところが、ヘブライ大学の研究によると献立を変えずに体重やコレステロール値を改善する方法があるらしい。しかも、高脂肪食のほうが効果を期待できるというから驚きだ。

 人間をはじめ地球上の生命現象は、約24時間の概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれる一定の周期を持っている。脳中枢では視覚からもたらされる光刺激が大枠の概日リズムを束ねる一方で、肝臓や小腸などに存在する「時計遺伝子」は食事の刺激によってリズムを生み出す。この時計遺伝子を壊したマウスは正常な代謝が乱れ、肥満やメタボを来すことが知られている。

 ヘブライ大学の研究グループはこの現象に注目。マウスを対象に高脂肪食と低脂肪食を用意し、それぞれ毎日決まった時間に食べるグループと、不規則に食べるグループに分けて18週後の代謝の変化を比較した。

 マウスは一様に太ったのだが、意外にも高脂肪・時間厳守マウスの太り方が最も少なかったのである。摂取カロリーは同じ量だったにもかかわらず、だ。しかも、低脂肪・不規則食マウスより体重が12%軽く、食事で上昇した血糖を素早く処理する「インスリン感受性」は1.4倍高いことがわかった。また、低脂肪・時間厳守マウスより食欲増進ホルモンとストレスホルモンの血中レベルが低下した。高脂肪食は満足度が高く、欲求不満になりにくいらしい。

 一方、同じ高脂肪食でも食事時間が不規則だったマウスは最も太り、コレステロール値が悪化。糖尿病や動脈硬化の発症を誘発する物質も増加していた。不規則食だと脂肪を消費するより、ため込むほうへ代謝リズムが傾くようだ。研究者は「毎日決まった時間に食事をする方法は、厳しい食事制限なしのダイエット法として、ヒトでも有用だろう」としている。まぁ、残業で帰社時間も不規則な日本のサラリーマンにとっては、ハードルが高い方法ではある。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

週刊ダイヤモンド

関連記事
このページの上へ

井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


専門医の監修を得て、あなたの症状に潜む病気の可能性を検証。カラダのアラームをキャッチせよ。


カラダご医見番

ハードワークのストレスに加え、飲酒や脂っこい食事。ビジネスマンの生活習慣は健康面からは実にハイリスクです。痛い・苦しい・痩せた・太った・イライラする…。そんな症状はどのような病気の兆候なのか?どんな治療が有効なのか?いきいきと働き続けるために、身体と病気に関する正確な知識が欠かせません。

「カラダご医見番」

⇒バックナンバー一覧