ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
遠山周平

第12回 Oct.30.2012 遠山周平

強く優しくを理想の男性像とする、
エシカルドレッシングの薦め

著者・コラム紹介
1
nextpage

 われわれが毎日のように着用しているビジネスーツの原型は19世紀半ば頃に米国で登場したといわれる。それ以前は、背布が4枚で構成され、着丈も長いフロックコートやモーニングコートが紳士の仕事着として英国で発明されていた。

 その着丈を短くし、背の布を2枚に変え、上下を同じ生地で仕立てた合理的な服が現代の仕事服の原型、サックスーツである。シャーロック・ホームズのドラマなどを観ると、この頃はフロックコートとサックスーツを着た男性が入り混じって街を闊歩していたことがわかる。

 しかし産業革命の普及や交通機関の発達にともなって機能的なサックスーツが日常着として定着し、次第にフロックコートは廃れ、モーニングコートやスワローテールコートは礼服の役割を担うようになったのである。

ブルックスブラザーズの青山本店で、福山雄太さんにアドバイスを受ける筆者

 1818年に創業されたブルックス ブラザーズは、そのサックスーツの流れを受け継ぐ服を今も作り続けている伝統的なメンズクロージングストアだ。

 ところで、この秋どんなスーツを新調すればよいか、迷っているエグゼクティブは多いのでなかろうか? なぜ迷うのか、その原因は仕事スーツという基本軸が自分のなかで薄れているからであろう。

 これぞエグゼクティブが着るべき仕事服のスタンダードだ、というものが一方に存在すれば、これを基にして、自分が今まで着ていたスーツの価格や品質やデザインなどが比較可能。つまり自分の中に、装いの軸がおぼろげながらも形成されることになろう。

 長い伝統を誇るブルックス ブラザーズの『サックモデル』は、迷えるあなたに装いの軸を生み出すスタンダードな仕事服の代表。

 秋冬のスーツを新調する前のエクゼクティブに代わって、青山本店で、世界のどこでも通用するビジネススーツのスタンダードがどんなものかを検証する作業を試みた。

1
nextpage

DOLトップへ


遠山周平 [服飾評論家]

1951年、東京生まれ。雑誌編集者、新聞記者を経て服飾評論家に。豊富な経験と知識を元に、“自ら買って、試して、書く”を信条とする。著書に『洒脱自在 おとなとしてシックに服とつきあう本』(中央公論新社)など。趣味の裁縫技術を生かし、捨てないお洒落生活を実践中。

 


DOL plus

「DOL plus」

⇒バックナンバー一覧