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金融市場異論百出

関係改善のリミットは来年春
尖閣後の中国対日感情の現状

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年10月30日
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 中国は13億人を超える人々が住む社会なので、連日のように大きな事件が起きる。10月7日までの8連休に高速道路の事故で死亡した人はなんと794人に及んだ。1日平均約100人だ。昨年7月に高速鉄道で40人が亡くなったが、中国ではそれに匹敵する大きな事件が頻繁に発生しており、マスメディアを賑わせている。

 それ故、尖閣問題に関する新たな怒りのネタを日本側から提供しない限り、中国の一般消費者の関心は徐々に他に移っていく可能性がある。あとは野田政権および次期政権(安倍政権?)が、国益と中国との関係改善のバランスをうまく取ればよいのだが、現時点ではまだ楽観できる材料はない。

 10月中旬に北京、上海に行った。滞在中に上海の和食レストランで日本人ビジネスマンが暴行を受けた事件が発生した。ただし、注意を払っていれば、全般的にはトラブルに遭う確率は一時期より低くなってきている。家庭内で使う商品の場合、反日感情の影響はゆっくりと和らぎ始めているようだ。

 しかし、外で人に見られる自動車の場合、日系ブランドが置かれた状況は依然として厳しい。上海で見かけたレクサスの持ち主は、自衛手段として「魚釣島は中国のもの」というステッカーを貼っていた。内陸部では、「もう日本製品は買いません」という釈明文を貼った日本車も走っている。日本政府が尖閣を購入したのは石原都知事に買わせないためだったという話は、中国の一般の人には知られていない。「国有化」という言葉に激高した人も多い。そもそも、民間所有者と地方政府の間の売買を中央政府が阻止できないということが、中国では理解されない。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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