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人口減少 ニッポンの未来

世代間格差大国・日本で若者の財布が狙われている!
消費税20%、年金保険料25%を抜き取られる未来

西川敦子 [フリーライター]
【第4回】 2012年11月2日
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日本の人口は今、何人くらいか、君は知っているかな。2010年の国勢調査を見てみるとだいたい1億2806万人。でも、この人口はこれからどんどん減ってしまうんだって。

国立社会保障・人口問題研究所では、将来の人口について3つの見方で予測を立てている。このうち、「中位推計」――出生や死亡の見込みが中程度と仮定した場合の予測――を見てみると、2030年には1億1522万人、さらに2060年には8674万人となっている。これは、第二次世界大戦直後の人口とほぼ同じ規模だ。

どんどん人口が減り、縮んでいく日本の社会。いったい私たちの行く手には何が待ち受けているんだろう?

――この連載では、高齢になった未来の私たちのため、そしてこれからの時代を担うことになる子どもたちのために、日本の将来をいろいろな角度から考察していきます。子どものいる読者の方もそうでない方も、ぜひ一緒に考えてみてください。

明治大学政治経済学部 教授
加藤久和先生の話

お年寄りは若者より1億2000万円以上も得!?
米国の3倍以上もある日本の「世代間格差」

かとう・ひさかず
1958年東京都生まれ。1981年慶応義塾大学経済学部卒業。1988年筑波大学政策科学研究科修士課程修了。博士(中央大学)。(財)電力中央研究所主任研究員、国立社会保障・人口問題研究所社会保障基礎理論研究部第一室長などを経て、2006年より明治大学政治経済学部教授。専門は人口経済学、社会保障論、計量経済学。主な著書に『世代間格差――人口減少社会を問いなおす』(筑摩新書)、『財政学講義――政府部門の経済分析』(文眞堂)、『人口経済学入門』(日本評論社、日本人口学会賞受賞)など多数。

――国に払う「社会保障費(しゃかいほしょうひ)」と、年金、医療、介護などを通して自分が受け取る利益の差を見てみると、上の世代ほど有利。日経新聞の調べによると、お年寄り世代は20歳未満の「将来世代」に比べ、1億2000万円以上も得。

――就職を希望する大学生(2012年3月卒業)で、就職先が決まっている人の割合「就職内定率」は、2012年4月現在、93.6%(文部科学省『平成23年度大学等卒業者の就職状況調査』)。昨年よりも改善したとはいえ、多くの大学生が就職に困っている。一方、企業では65歳以上の人びとを対象に、定年後も引き続き働き続けることのできる「雇用延長(こようえんちょう)」を行っている。

――国と地方が抱えている借金「政府債務額(せいふさいむがく)」は今や1000兆円を超えようとしている。国民1人当たりが背負う借金の額は、2歳の赤ちゃんの場合、すでに約750万円。ちなみに現在66歳の人が0歳児の頃は、1人14万8000円だった。

 最近のお年寄りは恵まれているけど、若者は大変だ……などと言いたて、いたずらにお互いの溝を深めるのはけっしていいことじゃない。でも、これらからわかるように、日本はお年寄りと若者の“恵まれ度”の違い「世代間格差」がとても大きな国だ。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


人口減少 ニッポンの未来

現在、約1億2800万人と言われる日本の人口。しかし、国立社会保障・人口問題研究所では、人口が2030年には1億1522万人、さらに2060年には8674万人になるとの予測が立てられている。どんどん人口が減り、縮んでいく日本の社会。いったい私たちの行く手には何が待ち受けているのか?この連載では、これからの時代を担う今の子どもたちに読み聞かせる形式を取りながら、日本の未来をいろんな角度から覗いていく。

「人口減少 ニッポンの未来」

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