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後味の悪さが残った日本シリーズの危険球誤審騒動
より正確なジャッジ方法の導入検討も必要ではないか

相沢光一 [スポーツライター]
【第225回】 2012年11月6日
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 プロ野球日本シリーズは巨人が北海道日本ハムを4勝2敗で制し、3年ぶり22度目の日本一に輝いた。

 第4戦では巨人・宮國、日本ハム・中村の20歳投手による息詰まる投げ合いが展開されるなど見ごたえのある試合はあった。だが、どことなく後味の悪さが残るシリーズになってしまったことは否めない。第5戦の危険球誤審騒動があったからである。

 改めて騒動の流れを再現しておこう。

 5-2の巨人リードで迎えた4回表の巨人の攻撃。無死1塁で打席には9番加藤が立った。巨人の取った作戦は送りバント。1球目、加藤はバントをしようと身を乗り出すようにバットを構える。日本ハムの2番手投手、多田野が投げたのは内角高めをシュート気味にえぐるボール。加藤はのけ反って倒れ込み、「当たった」とでもアピールするように頭を抱える。巨人ベンチからは原監督が飛び出し、柳田球審に何か語りかけると、それに応えるように危険球が宣告された。

 だが、実際はボールは加藤に当たっていない。日本ハム・栗山監督が猛抗議をするも判定は翻らず、多田野は退場。頭部に死球を受けたことになった加藤はとくに治療もせず1塁へ。日本ハムは急遽、森内を登板させたが試合の流れは巨人に傾き、日本ハムファンで埋まった札幌ドームは誤審への怒りから不穏な空気に包まれた。

 この騒動はネットの掲示板でもすぐに取り上げられた。加藤が取ったリアクション、球審の判定に対する批判が殺到。試合翌日には巨人の球団事務所に多数の抗議電話がかかったという。加藤と柳田球審はすっかり悪者扱い。その一方で一部メディアからは加藤を擁護する声も出た。担当記者の間では加藤は巨人でも指折りの好感度の高い選手らしい。練習態度は真面目なうえ記者に接する態度も礼儀正しく誠実。計算づくで球審を欺くプレーをするような選手ではないというわけだ。

 こんな調子でこのプレーを見た人はさまざまな立場から論評し、騒動に発展したのである。ここで一連の流れを冷静に検証してみよう。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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