サラリーマンの場合、早く仕事を辞めたいと思うのは仕事が苦行だからだ。なぜ仕事が苦行かといえば、それは自己決定権が少ないということに尽きるだろう。でもこれは、会社に雇われている人間にとっては仕方ないことだ。会社というものは組織で動いている。異なる意見があった場合、議論は重ねられるだろうが最終的には責任を持つ立場の人間が決定権を持つのは当然だ。会社での立場が上になればなるほど、この決定権の範囲は大きくなるが、社長にならない限りは、どこまで行っても自分の意見が否定されることは起こりうる。

 筆者も長年サラリーマンをやっていたから分かるが、自分が一生懸命考えたこと、やりたいと思うことができないというのは、かなりストレスのたまることである。そういう日々を何十年も続けていれば、早くリタイアしたいと思うのも無理はない。

 しかしながら早期リタイアしたからといって、楽しいことばかりではないのが現実だ。早期リタイア後の1~2年ぐらいは自由を満喫して旅行にも行き、楽しい生活になるだろうが、いずれ必ず飽きる時が来る。ところが、仕事が苦行ではなく、楽しみになればこんなに人生で楽しいことはないのだ。