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2012アメリカ大統領選ウォッチ

4年間で拡大した格差と深化する国民の分断
有権者の声から見る「米国を一つに」の困難

津山恵子
【第3回】 2012年11月7日
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両大統領候補の接戦が日々伝えられるなか、実際の有権者は両候補をどう見ているのか。年齢も職業も違う多くの人々の声を聞いてみると、今回の選挙戦を通して両者が争点をぶつけ合えば合うほど、有権者は二者択一を迫られ、国が分断されていく様子が浮かび上がってくる。それはワシントンの政界でも広がっている。(在米ジャーナリスト・津山恵子)

分断が深化する構造

 「米国は正しい方向に向かっていると思うか」

 米国人の有権者に最近、こうした質問をぶつけてみた。世論調査に必ずある質問だが、かなりクリアにその人が何を支持し、何を望んでいないのかが、よく分かる。

 筆者が得た有権者の声を、いくつか紹介しよう。

 「ロムニー候補が大統領になれば、米国を支える中間層は無視され、彼は米国を正しくは導いてくれないと思う。オバマ大統領の経済対策は少しスローだったが、健康保険制度を整えてくれたし、彼のアプローチを支持します」(ナンシー・カートン、ヘルスケア・マネージャー、53)

 「オバマ大統領のもと、金融機関は救済され、人々は路頭に迷った。ロムニー候補が大統領になれば、政府の歳出をもっと減らして、私たちが救済されると思う」(エレイン、学生、21)

 もっと複雑な見方をする人もいる。

 「オバマ大統領がウォール街を救済したことや、国民皆保険を目指した健康保険制度改革には満足していない。しかし、一個人として、政府は人種や宗教にかかわらず、どんな市民をも守るべき立場にあると思っている。ロムニー候補にはそれができないだろうから、オバマ大統領を再選させなくてはならない」(スティーブ・マックス、オバマ選挙事務所ボランティア、73)

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津山恵子

共同通信社ニューヨーク支社経済特派員を2006年11月退社、07年12月、フリーランス・ジャーナリストとしてニューヨークを拠点に取材、執筆を続ける。日本外国人特派員協会(FCCJ)正会員、ニューヨーク外国人記者協会正会員、ウォール・ストリート・ジャーナル日本版コラムニスト。AERA、文芸春秋、週刊ダイヤモンド、エコノミスト、フォーサイト、GOETHEなどに、米国の政治・経済・社会について執筆。10年1月、米オーファンズ・インターナショナル(OI、国連認定の貧困国孤児、エイズ孤児救済NPO)よりグローバル・シティズン賞受賞。「モバイルシフト」(アスキーメディアワークス)など著書多数。


2012アメリカ大統領選ウォッチ

低迷する経済、厳しさ増す雇用情勢の立て直しが最大の争点となっている2012年のアメリカ大統領選挙。再選を目指す民主党のオバマ大統領と共和党・ロムニー前マサチューセッツ州知事の争いは最後まで激戦の様相を呈している。果たして激戦を制するのはどちらか。またどちらが大統領になることで、これからのアメリカにどのような影響を及ぼすことになるか。

「2012アメリカ大統領選ウォッチ」

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