総合建設事業と総合人材サービス事業、二つの事業ドメインの掛け合わせで多様な事業を創出するハンズホールディングス。グローバル人材を多数受け入れ、社内は多様性にあふれている。障がい者スポーツの支援にも力を入れ、雇用促進と事業成長に貢献している。

多様性を受け入れ、固定観念を打ち破れる人を求むハンズホールディングス
徳村有聡(ありとし) 代表取締役社長
兼 グループCEO

 ハンズホールディングスは、「空間」と「人」を事業の軸とし、二つの事業ドメインを掛け合わせることで、さまざまな事業を生み出している。「空間」とは商業空間を中心とした総合建設事業、「人」とは業務請負・人材派遣・紹介の総合人材サービス事業である。

 総合建設事業を担う「チョウエイハンズ」が得意とするのは商業施設で、全国展開するクライアントの出店を、不動産紹介~建築~人材の供給までワンストップでサポートする形で事業を展開している。業務請負や設備工事を担う「ハンデックス」は、商業施設やオフィス、イベント会場や物流倉庫など、現場における業務請負に加え、設備工事にも幅広く対応する。

 2024年度の決算では、売り上げは過去最高を更新した。社長就任以降、ほぼ毎年最高を記録。コロナ禍で一時的な減速はあったものの、短期間で持ち直し、その後は安定成長を続けている。「これまで行ってきた準備や積み重ねが、一つ一つ実を結んだ感じです」と徳村有聡(ありとし)社長は振り返る。

多様性を受け入れ、固定観念を打ち破れる人を求むベトナムの政府系企業や大学と人材育成・採用協定を締結、寄付講座を開講している

 今回の大幅な成長をけん引したのは、大手小売業者による全国規模の出店ラッシュ。こうした“特殊要因” は追い風としては大きいが、長期的に続く保証はない。そのため、今後に備えた基盤固めを急ぐ必要があるという。現状の人員と仕組みでも、300億円規模までは到達可能と見込むがそれ以上を目指すには体制の抜本的な強化が不可欠であり、幹部層の人数とスキルの両方を高めることで、現場と経営の距離を縮め、意思決定の速度と質を上げていく考えだ。