ライフステージ別
お勧め金投資法

金に投資する商品には、さまざまなものがある。それをどう使い分けるのがいいのか。 豊島氏に、ライフスタイル別お勧めの金商品と投資法を教えてもらった。

20~30代のシングルの人は、これから資産を築いていく段階だ。まだ給料も多くはないかもしれない。その上、スキルアップやキャリアアップの勉強にもお金がかかるだろう。遊びという社会勉強も必要だ。そこで、月々3000円から無理のない金額で純金積立をすることを勧めたい。

純金積立は、毎月一定額を銀行口座から引き落とし、自動的に金を積み立てるサービスだ。毎日一定の金額で金を買い続けるため、金価格が安いときには多く、高いときには少なく購入でき、価格変動リスクを軽減する効果も期待できる。月3000円なら、居酒屋に行くのを1回我慢するだけで捻出できるし、金価格が下がっても、それほど動揺せずに済むだろう。

加えて、今まではテレビでバラエティ番組しか見なかった人が、NHK・BSの国際ニュースを見るようになり、新聞も読むようになるかもしれない。純金積立がきっかけで始めた経済の勉強が、ビジネスの場でも役立つだろう。その頃には、意識も変わり、積立額も増えているはずだ。

 

結婚して子どもがいる夫婦は、金貨を購入するといいだろう。それも、子どもの誕生日ごとに購入し、誕生日の写真と一緒にアルバムに貼っていくようにしたい。

これはスイスでの銀行勤務時代に知った、スイスでは一般的な習慣だ。スイス人は、赤ちゃんが生まれると誕生日ごとに金を買ってアルバムに貼り、子どもが結婚するときに渡す。それが株式や債券だったら興ざめだろうが、金貨なら親の愛情を感じながら、素直に受け取れる。かつての日本では、娘が生まれると庭にキリの木を植え、それでタンスを作って嫁入り道具にしたが、今どきキリの木を植えられる庭がある家を持つことは難しい。その点、金貨なら保管場所も取らずに済む。

金貨は、貴金属商などで購入でき、売買は額面金額ではなく、当日の金価格で行う。10分の1オンス金貨ならば、2万円もしない。購入時には消費税がかかるが、売却時には消費税を受け取ることができる。消費税が5%のときに買い、将来消費税が上がったときに子どもが売れば、売却価格+消費税分を受け取ることができるだろう。