株式投資よりアパート1棟経営がFIRE(経済的自立と早期退職)への近道!
不動産投資を始めて5年、アパート7棟を保有、資産7億5000万円を築いた。目標は、40歳までに資産100億円を築くこと。経済が疲弊した地元を自分の力で再生するための資金作りだ。現在、年間家賃収入7000万円、年間キャッシュフロー(手元に残るお金)2000万円を得ている元証券ウーマンが不動産投資で7億円の著者が、知識ゼロから不動産投資で安定的に資産を増やせる方法を徹底指南する。

利回りPhoto: Adobe Stock

なんのために不動産投資をするか?

物件選びのポイントの1つに「利回り」があります。

利回りとは、投資した金額に対して得られる「見込み収入」の割合です。

その利回りには「表面利回り」と「実質利回り」があります。

「表面利回り」と「実質利回り」

表面利回りとは、「年間家賃収入」を「物件価格」で割ったもの。とてもシンプルに計算できますが、あくまでも「満室」を前提とする単純計算です。

賃貸経営の諸経費も計算に含まれませんから、簡易的な目安として役立てます。

一方の実質利回りは、「管理費」「修繕積立金」「保険料」「固定資産税」など「年間経費」を含めて計算するので、より現実的な数字を割り出せます。

不動産会社の物件情報では、簡易的な「表面利回り」を記載するケースが多いです。

一方、私自身が物件購入時にシミュレーションするときには、想定される「年間経費」を含めた「実質利回り」で計算しています。

なお、諸経費を除いた年間家賃収入は、不動産会社の物件情報に記されている「物件価格」と「表面利回り」をベースに概算できます。

物件価格(円) × 表面利回り(%) = 年間家賃収入(円)
例:物件価格5000万円 × 表面利回り8% = 年間家賃収入400万円

物件情報に記載されている表面利回りは、地域や物件にもよりますが、たとえば東京23区内だと4~5%が平均的とされています。物件の購入価格が比較的安い地方では10%を超えるケースもありますが、私自身は8~10%を目安にしています。

ただし、利回りは高ければ高いほどよいわけではありません。

表面利回りが高いということは、ざっくりいうと、満室を前提とした「年間家賃収入」に比べて「物件価格」が安いということ。表面利回り20~30%と高利回りの物件は、物件価格を下げないと買い主がつかないなど、なんらかの問題を抱えている可能性もあるということです。

具体的には、「立地が悪い」「空室が多い」「多額のリフォーム費用がかかる」「前の入居者の残置物がある」といったケースが考えられます。

もちろん、「そのくらい問題ない。残置物は自分で処分するし、掃除も片づけもできる。DIYが好きだからリフォームも得意。立地が悪くても、安ければいい」という人もいるでしょう。

オーナー(大家さん)である自分自身が、手間暇かけてガッツリと物件管理に関わる覚悟と能力があれば、多少条件が悪くても高利回りの物件を購入していいかもしれません。

不動産投資関連の本にも、インターネット上にも、大家さんが自ら物件を管理するためのノウハウが、たくさん公開されています。

業者に頼むとお金がかかるので、大家さんがDIYでリフォームするケースも増えています。

入居者とのコミュニケーションも増えますが、そういうことが好きな大家さんも実際にいます。

趣味の延長のような感覚で、“大家さん稼業”をする人もいますが、それはそれで自分のライフスタイルや志向に合致しているのですからよいことでしょう。

私自身は、あくまで投資家として「不動産賃貸業」に携わるというスタンスです。

不動産賃貸業を拡大して、将来的に自分がやりたい目的を実現するために不動産投資をしているのです。

これは「なんのために不動産投資をするか?」という不動産投資家としての根本的な思想の違いからくるものです。

大家さんとして、自分でとことん物件管理をしたい人がいるとしたら、それが自分の目的に合致していればよいのです。でも、私自身はまったくの逆。物件管理はむしろストレスなので、基本的には管理会社に委託しています。

そもそも現時点で7棟の物件を保有し、これからも物件数を増やしていく予定ですから、すべての物件を自分自身で管理するというビジネスモデルでは成り立ちません。

不動産投資は、目的を実現するための手段なので、大家さん業に100%力を注ぐわけにはいかないのです。

同じく、会社員として仕事を続けながら不動産投資をはじめるのなら、そもそも大家さん業をしている暇などないでしょう。

「投資家になるか? 大家さんになるか?」の違いは、「資産に働いてもらうのか? 自分が働くのか?」と同じくらい方向性が違います。

八木エミリー(やぎ・えみりー)
1989年愛知県生まれ。2013年大学卒業後、野村證券入社。配属された東海地方で新人にして営業成績トップとなり、社内最年少でセミナー講師に抜擢される。出身地の経済が疲弊し、将来的に自分の手で地域活性化をするという大きな目標を掲げ、その資金獲得のため不動産投資をはじめる。40歳までに資産100億円を築き、財団を設立して地元を活性化するのが目標。2015年、26歳で1棟目となる中古1棟アパートを購入。その後も1棟買いを続け、入社4年目に退社。現在は7棟68室(総資産7億5000万円)のオーナーとして、年間家賃収入7000万円、年間2000万円のキャッシュフロー(手元に残るお金)を得ている。2021年夏に有料メルマガ「お金ビギナーのためのマネ活部」をスタート予定。お問い合わせ等は、こちらのアドレスまで(info-emily@diamond.co.jp)。