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今度こそ本当に「電子書籍元年」が到来!
日本で成功するために必要なソニー、楽天の役割とは

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第220回】 2012年11月14日
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 日本にもようやく「電子書籍の元年」がやってきたようだ。

 元年が来るとずいぶん前から期待されていたのに、何年も経ってやっと来たというのは、何も日本だけのことではない。実はアメリカでも同じだった。

 アメリカの電子書籍元年は、アマゾンが電子書籍リーダーのキンドルを発売した2007年とされているが、感覚的にはもっと最近のことだ。2010年にアップルがタブレットのiPadを発売して、キンドルの対抗機が出現し、それで出版界にはずみがついて出版各社も前向きになった、そのあたりからだろう。

 日本でも電子書籍自体は数年前からあったが、これからタブレットや電子書籍リーダー、電子書籍ストアがスムーズにつながり、出版各社が乗り気になって出版物をどんどん電子化するようになった時に、本当の元年がやってくる。その意味では、今は元年の準備をしている年末のような感じだろう。

価格の安さ、絶版本の再販…
「選択肢の広がり」で賑わう電子書籍市場

 調査機関のピュー・リサーチセンターが今年2月に実施した調査によると、アメリカの成人で一昨年に電子書籍を読んだことがあるのは20%。この数字は今ではもっと増えているはずだ。面白いのは、電子書籍を読んだ人は年間平均24冊の本を読んでいたが、電子書籍を読まない人は15冊だったという。

 この数字からは、電子書籍を読む人は読書家と言える。ただ、そこにはいろいろな要素がある。アメリカの電子書籍が安いことも、その大きな要因だ。

 アメリカの電子書籍の価格は、何通りもある。

 ひとつは、新刊書の値段。これはプリント版で26ドル程度のものが13ドル程度と半額くらいで出されている。ものによっては10ドルを切る値段がつけられることもある。既刊書ならば6~8ドルくらい。ちょうどペーパーバックの値段と同じ程度だ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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