ひろゆきが断言「やる気スイッチなんて存在しません」ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、さまざまなメディアで活躍中のひろゆき氏。全国のベストセラーランキングで続々と1位を獲得し、34万部を突破した著書1%の努力』では、彼の考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をしたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「成熟した日本」

 日本は、成熟した社会になりました。経済的な成長は望めなくなり、子どもの数はどんどん減っていっています。

 そうなると、次は、独自の価値で豊かにダラダラ過ごしていくことが求められます。世界に目を向ければ、経済成長が止まってからも文化的な価値で観光業だけで食べている国がたくさんあることに気づきます。日本もそれを目指していったほうがよいでしょうね。

バブル世代の大いなる勘違い

 ただ、一部の人たちは血気盛んに「もう一度、日本を世界一の経済大国に!」と喧伝しているのを見かけます。おそらく、バブルを経験した時代の名残なのでしょう。

 そういう人たちがよく語るのが、「若者はやる気がない!」「日本人がやる気を出せばなし得る!」などの精神論です。たぶん、「やる気スイッチ」のようなものがあると思い込んでいて、それを押しさえすれば自動的に物事がうまくいくと信じてしまっているはずです。

 そのために、「栄養ドリンク」や「経営者の熱い言葉」「飲み会での打ち上げ」などが必要だと思っているんでしょうね。

「アメとムチ」では続かない

 まず、「やる気スイッチ」なんて存在しません。

 そのことはさまざまな脳科学的な研究が示しています。「やる気が起こるからやる」のではなく、「やっているうちにやる気のようなものが出てくる」という順番です。

 基本的には「今やっていることをダラダラやっていく」という表現がもっともしっくりくるのです。「日本に活力を与えて盛り上げていく」というのではなく「成熟した日本でダラダラ暮らしていこう」というニュアンスです。

 行動を変えるためには「恐怖心」か「報酬」が必要だと言われます。いわゆるアメとムチです。そして、それらは一時的な効果しかないと言われています。

 つまり、ガラッと人が変わるわけではなく、一瞬だけ変化する。だから、アメもムチも与え続けないといけないのです。でも、そんなことは、浪人生活している1年間とか、大事なプロジェクトを成功させる数ヵ月間とかでしか続きません。

やる気に対する「ズレ」を解消しよう

「やる気スイッチ」があると誤解してしまうと、ダラダラしている人が途端に悪者のように映ってしまいます。

 一部のバリバリ頑張っているような人たちが「自分たちはやる気がある」とウソをつきはじめます。彼らが「やる気」と表現しているものは、ただの「居心地」なんですよね。その場所で居心地がよくて自分の性格が評価されるから「頑張っているように見えている」だけで、実はそんなに頑張っていないんです。

 それも、「やる気スイッチ」みたいなものが勘違いの源なんでしょうね。わかりやすく動き回っている人のほうが、じっとしている人より優秀なように見えてしまいます。

 でも、冒頭でも述べましたが、これからは経済とは別の豊かさが大事になってきますから。そのズレは早く解消したほうが幸せだと思いますよ。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。