HOME

メタボリック

肝臓

腰痛・肩こり

高血圧・高脂欠症

うつ・ストレス

ニオイ

薄毛

老化防止

禁煙

男の病気

「引きこもり」するオトナたち

無断欠勤をする「引きこもり」社員は
個人の問題か、それとも企業の責任か

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第4回】

トラウマから出社できない
「適応障害」による引きこもり

 大手メーカーの技術職に勤める30代のヤマグチさん(仮名)は、ある日を境に、会社の玄関がくぐれなくなった。

 会社の門の前まで来ると、急に動悸が激しくなり、身持ちが悪くなる。ヤマグチさんは、どうしても会社の建物に入ることができず、家に引き返すようになったのだ。

 ヤマグチさんは、都心部のマンションで1人暮らし。それまではとくに不登校の経験もなく、入社してから体に異常な兆候も見られなかったという。

 ところが、会議の席で、上司の課長にかなり厳しく詰問されたことがあった。

 ヤマグチさんにとって、課長から与えられた研究課題は、難し過ぎた。そこで、課長に相談しようとしても、課長は自分自身の仕事で忙しく、なかなか取り合ってもらえなかったという。その頃から、ヤマグチさんはなかなか寝つけず、不眠症に悩み始めていた。

 「いままで何も教えてくれなったのに、皆がいる前で、そこまで言うのか…」

 課長に叱責されたとき、ヤマグチさんは、涙が止まらなくなった。

 会社の玄関をくぐれなくなったのは、このときからだ。

 この会社では、2週間以上無断欠勤を続ける社員がいれば、懲罰処分になる。不況でリストラが進められる時代でもあり、人事担当者も放っておくわけにはいかない。

 人事担当者は、欠勤を続けるヤマグチさんや家族に連絡した。彼を会社の健康管理室に連れて行くためだ。

 その後、実家の両親の勧めで、ヤマグチさんは、医療機関の内科で症状を診てもらった。しかし、とくに病気や体の異常は見当たらなかったという。

 カウンセラーが出勤できなくなった理由を聞くと、ヤマグチさんはこう答えた。

1 2 3 4 >>
このページの上へ

池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

⇒バックナンバー一覧