実質的内容
「お得意様候補」になる秘訣

 これまでの部分は形式面です。ここでは実質的内容を書きます。

 まず、不動産屋は、物件を買うことができない人に物件を紹介するほど暇ではありません。紹介であれ何であれ、まずは自己資金や資産があるか、ほかの不動産屋や金融機関との取引関係がどうかなど、いろいろ聞かれるでしょう。場合によっては「お客様カード」などに記入させられるでしょう。そこで、どこまで知らせるかが思案のしどころです。まさに個人情報の核心部分になることを、どこまで知らせるかです。

 こればかりは人それぞれ、不動産屋との関係次第です。徐々に間合いを詰めていき、信用の段階が上がるたびに、知らせる情報を小出しにしていくのが理想です。

 不動産屋に伝えておいたほうがいい個人情報としては、住所、氏名、年齢、性別、電話番号、メールアドレスやラインのID(不動産用は別につくっておいたほうがいいです)などのほか、勤務先と勤続年数、大まかな年収と自己資金、資産状況(ほかに不動産を持っているか、持ち家など)、家族構成などがあります。

 個人情報以外では、希望する地域、物件の種類(戸建、アパート、マンション)、規模(どのくらいの戸数)、価格、利回り、築年数、間取りなどです。余分な物件情報が入ってこないようにするためですが、あまり条件を絞ると情報そのものが入ってこなくなるので、若干緩めに言っておきましょう。

 さらに、なぜ不動産経営を始めようと思ったか、目的や目標も話したほうがいいです。ここで「熱意」を示せます。1棟買って終わりというのではなく、複数買っていきたいと言うほうが、熱意は伝わりますし、また、不動産屋にとってみれば「お得意様候補」になります。

 つまり、収益物件を「買うことができるし、買おうとする人間」とアピールすることが重要です。自己資金がいくらあっても、熱意がない人には不動産屋は物件を紹介しません。

 不動産屋に聞きたいことがあれば、恥ずかしがらずに聞きましょう。また、物件を紹介された場合、事前の勉強を活かして、いくつか質問してみましょう。このとき、知ったかぶりはいけませんが、素人と思われてもダメです。

 適度なツッコミをし、専門用語を交ぜることで、不動産屋から「きちんと準備している人だからいい物件を紹介しよう」とか「これなら金融機関の融資も受けられるだろう」などとプラスに認識されます。「勉強しているので、いい加減な物件は紹介できない」と思われる点もプラスです。ある程度の知識が備わってくると、すぐに矛盾点などが分かるようになります。

 逆に、詳しいと思われて警戒されたり、事務的に扱われたりすることもあるかもしれませんが、そのような不動産屋は避けたほうが賢明です。