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今週のキーワード 真壁昭夫

安倍政権誕生なら日本経済は本当に復活できるか?
金融政策で対立する“リフレ派”と“改革派”の長短

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第253回】 2012年11月27日
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安倍総裁の発言に反応を示す市場
続く株高・円安の背景に何がある?

 突然、野田首相が解散宣言を行なって以降、安倍・自民党総裁の発言に対して、金融市場はとりあえず株高・円安の反応を示している。

 その背景には、12月16日の選挙で自民党が勝利し、安倍氏が次の首相になると、日銀に対して、より思い切った金融政策の実行を要請するとの期待が盛り上がっていることがある。

 安倍氏の発言要旨を分析すると、主に2つの経済政策がある。1つは10年間で200兆円に上る大規模な公共投資を実施することであり、もう1つは日銀に対して、さらに積極的な金融緩和策の実施を要請することである。

 果たして、これらの政策でわが国経済が本当に復活し、株価の堅調な展開を期待できるだろうか。

 結論から言うと、政策の効果には疑問の余地がある。特に、短期的にプラスになっても、中長期的に見ると必ずしもわが国の経済にプラスになるとは限らない施策も含まれている。

 もともと経済政策には、多くのケースでメリット・デメリットの両面がある。そのため、経済専門家の間でも、賛否両論、様々な見解がある。特にデフレから脱却するための政策については、以前から経済学者やエコノミストの中で意見の対立が先鋭であった。今回、安倍総裁の発言は、その意見対立を一段と顕在化するきっかけとなった。

 デフレ脱却・経済再建の政策に関しては、大きく分けて2つの考え方がある。1つは、日銀が通貨供給量を大幅に増加させることで、政策的にインフレを起こす考え方だ。これが“リフレーション派”(リフレ派)と呼ばれる。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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