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「子ども手当」の満額支給に黄信号!
今こそ問う“誇大広告政治”の功罪

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第112回】 2010年2月9日
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 民主党が昨年夏の衆院選挙に向けて作成した、マニフェストの実現がいよいよ怪しくなっている。

 マニフェストは一種の公約であり、それを簡単に反故にすることに対しては、国民のあいだから強い批判が出始めている。今年夏の参院選挙が、どのような結果になるか注目したい。

 もともと民主党は、政権交代を実現した暁には、「自民党時代の予算の無駄使いをなくすことによって、国債の増発をしなくても予算は組める」と主張していた。

 ところが、フタを開けてみれば、2010年度の予算規模は92兆円に膨れ上がり、その結果44兆円の国債を発行することになった。また、選挙前に民主党があれほど批判したガソリンなどの暫定税率が、実質的に維持されることになり、後期高齢者医療保険制度のとりあえずの存続が決まった。

 さらに最近では、民主党の目玉政策の1つであった、子ども手当の満額支給まで怪しくなっている。閣僚をはじめとする与党関係者のなかからも、実現を疑問視する声が上がり始めているほどだ。

 ことここに至って、民主党政権に対する国民の不安は、いよいよ新たな段階へと移りつつある。

 そうした状況に対して、ある政治専門家は「民主党のマニフェストは最初から“誇大広告”で、国民もそれは十分にわかっていたはずだ」と指摘していた。

 その通りかもしれない。国民の多くのは、マニフェストに盛り込まれている内容が、簡単に実現できないことは承知していたはずだ。それでも、民主党に政権交代の機会を与えたのは、自民党政権に対する批判と、民主党に対して微かな期待を抱いていたからだろう。

 しかし、マニフェストの約束がいとも簡単に破られ、しかも“カネと政治”の疑惑まで出てくると、「自民党と民主党は何も変わらない」との見方が出てくるのは当然だ。

 景気が低迷から抜け出せないなか、政治がそんな状態では、日本の将来にも明るさが見えてこない。政治家諸氏に奮起を促したい。今回は、民主党政権が進むべき道について、考えてみよう。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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