温故知新で最先端の学びを校舎に取り入れる「立教女学院」(1)(2)聖マーガレットと聖コロンバなどのステンドグラス(エディンバラ城聖マーガレット礼拝堂にあるもののレプリカ)がはめ込まれた窓が印象的なヘイウッド・ライブラリー。建設当時は図書館として使われ、いまは高3生専用の自習室に (3)校舎建設に尽力したミス・ヘイウッド副校長の名を冠し、肖像画も飾られている
拡大画像表示

立教大の人気は「経営学部」に。医学部進学も増加

ここからは、校長の田部井善郎先生にも加わっていただき、他校と比べた本校の特徴なども語っていただいた。

温故知新で最先端の学びを校舎に取り入れる「立教女学院」

田部井善郎(たべい・よしろう)
立教女学院中学校・高等学校校長

慶應義塾大学法学部法律学科と文学部哲学科倫理学専攻卒業後、同大学大学院文学研究科倫理学修士課程修了。専門は英米倫理学、キリスト教倫理学。社会科専任教員としてフェリス女学院中学校・高等学校に赴任し、同校校長を経て2016年から現職。

 

――高校校舎の廊下が広いですね。

田部井 プロテスタント系ミッションスクールでよく見掛ける中廊下の両側に教室が配置されているスタイルです。廊下は4メートル幅で、天井高も同じくらいあります。2001年築の中学校舎は3階建てなのですが、こちらと同じくらいの高さに見えます。

――田部井先生は他校でのご経験もありますが、本校の特徴をどのようにご覧ですか。

田部井 前任校もそうでしたが、人と比べたりせず主体的であること、社会への貢献というキリスト教の考え方が根底にあることなどは同じですね。土地柄もあるのか、立教女学院の方が元気で明るいかもしれません(笑)。一見、派手に見えますが、必ずしもそうではありません。かなり強い意思を持って自分の進学先を選んでいる印象です。

――本校はクリスチャンの先生がとても多い印象がありましたが、現在はいかがですか。

田部井 世代交代も進んできていますが、割合はあまり変わっていないと思います。

――立教大学への内部進学枠がだいぶ増えましたね。どのような状況ですか。

田部井 かつては30人くらいでしたが、最近さらに、前年度から30人分増えて151人の内部推薦進学枠を立教大からいただいております。

 各学部・学科の枠を合計すると十分な数があります。志望学部学科を複数書いてもらい、高校3年間の成績と中学からのARE(「総合的な学習の時間」および「総合的な探求の時間」)の集大成として、1年かけて執筆する卒論などで決めます。現在は約60%が立教大に進学しています。全体的に社会科学系に進む生徒が多いと思います。

――経営の授業なども面白いですものね。

田部井 他校からの指定校推薦枠も、慶應義塾大、国際基督教大、上智大、聖路加国際大のほか、東京理科大、東京女子医科大や早稲田大の理工系などたくさんあります。生徒には自分の行きたいところに進むようにすすめており、必ずしも推薦枠すべてを活用しているわけではありません。ここのところ医学部に進む生徒が増えてきました。多様な進路から見ても、学校として総合的に上がってきているかもしれませんね。

――親子代々入るにはすっかり敷居が高くなりました(笑)。

温故知新で最先端の学びを校舎に取り入れる「立教女学院」高校教室のセントラルコート(中庭)には樹齢約100年のヒマラヤスギ。クリスマスのイルミネーションは杉並百景にも選ばれている