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競馬をめぐる羨ましくも可哀想な話

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第259回】 2012年12月5日
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競馬で約1億4000万円の儲け
心から「羨ましい!」実績

 日頃ニュースを見ていて、「いいな」と思うくらいの話は時々あるが、心から「羨ましい!」と感じる話はそうあるのものではない。

 しかし、今回のニュースの主人公には、はじめに羨ましいと思った。

 彼は、39歳の会社員だという。2007年から2009年までの3年間に合計約28億7000万円の馬券を買って、約30億1000万円の配当を得た。3年間で1億4000万円の儲けだ(以下、詳細は読売オンライン11月29日の記事〈キャッシュ〉による)。

 男性は、年収800万円の会社員だが、2004年頃に競馬専用の口座を開設して100万円を入金し、競馬予想ソフトを使って、過去の戦績などから勝つ確率の高い馬を選ぶ方法を独自に開発した。

 彼は、インターネット経由で馬券を買っていて、勝負の場は毎週土日の全国の中央競馬で、ほぼ全レースに参加し、配当収支の黒字が続いていたという。

 3年間で1億4000万円の儲けは、1年あたり5000万円程度なので(悪くない金額だが)、ビジネスその他の世界でこの程度の金額を稼ぐ人がいるから、「いいな」とは思うが、心から羨ましいというほどの話ではない。

 羨ましいのは、このニュースの主人公が、控除率25%という過酷に高率なテラ銭(博打の胴元の掛け金に対する取り分のこと)を取られる条件下で、他の競馬ファンと平等の条件で競いながら、安定的に収益を得ていたらしいことだ。

 以下、競馬ファンの1人として、彼に尊敬の念を込めて「大阪馬券王」とお呼びすることにする。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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