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社会人必携!最低限知っておきたい法律知識

悲しみに暮れる暇もなく襲いかかる相続問題
家族が“争族”や“争続”の泥沼にはまらないために

【第10回】 2012年12月12日
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日本は30年後には死亡者数が現在の1.4倍(推計値)となる。大切な方が亡くなった悲しみにくれている間もなく、相続問題はあなたに突然追い打ちをかける。相続問題は資産家だけの問題ではない。誰にでも降り掛かる問題だ。そして、相続問題が長引き“争続”問題となれば、家族の仲がこじれ、残された住まいや会社まで失うケースもある。相続が“争続”とならないためのポイントをまとめた。(弁護士・森田英樹、協力:弁護士ドットコム

母が亡くなって気付くと
妹がすべて遺産を相続

 「10年前、父が死亡した時は母がまだ健在でしたので、父の遺産は全て母にということで私も妹も同意しました。ところが先日、母が亡くなり母名義の不動産の謄本を見たら、すでに妹名義になっていました。先生、これは母の遺産を全部、妹に盗られてしまったということですか」

 相談に訪れた黒川さん(仮名、50代)から詳しく話を聞いてみると、お父さんが亡くなった直後から、急に妹さんがお母さんの世話をするようになっていたそうだ。おそらく、妹はお母さんが亡くなったときのことを見越して、不動産などの名義を姉に気付かれないように変更したのだろう。

 こうしたことは、珍しいことではない。両親が亡くなった途端、家族間で相続問題が顕在化することはよくある。

 相談を受けて筆者はこうアドバイスをした。

 「公正証書遺言があるのだと思います。ただ、あなたは子どもとして遺留分があります。公正証書遺言の謄本を取り寄せてみて、お母さんの遺産関係を調べ対応を考えてみましょう」

 公正証書遺言謄本は、簡単に入手する事ができる。遺言者が死亡後に、相続人(この場合、姉や妹)は遺言者の除籍謄本と相続人の戸籍謄本を持参すれば、全国どこの公証人役場でも、公正証書遺言が作成された公証人役場を教えてもらえる。そして、その公証人役場に出向けば公正証書遺言の謄本を入手することができる。

 また、全国どこの法務局でも不動産登記簿謄本を取り寄せることができる。またその評価額を出すための基準となる、路線価はインターネットで公開されている。

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