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世界がもしご近所さんだったら

交渉はジャパニーズ・イングリッシュを使え!
シンガポール人がイエスと言いたくなる意外な頼み方

まがぬまみえ
【第4回】 2012年12月19日
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アジアの「タレント・ハブ」との呼び名も高いシンガポール。今回は、そんな急成長を内側から見てきた日本人男性、伊藤洋和さん(48歳)へのインタビュー、後編をお届けする。

前編では、政府が「先生」で国民は「教育ママ」という、シンガポールの側面を客観的な視点でご紹介いただいた。後編ではさらに、シンガポール人の英語力やアメリカ人に勝るとも劣らぬ交渉力へと話が発展して……。

ネイティブの発音をしようと思うな!
ジャパニーズ・イングリッシュの方が上手くいく

シンガポールの街角。ビジネス街にも活気がある

――じつは、シンガポールに来る前に『地球の歩き方』を買って読んだんです。そしたら、いわゆるシングリッシュに関して興味深いくだりが見つかりまして。「シンガポール人の英語力を過小評価する人がいるが、彼らの多くは英米のテレビ番組や映画を字幕なしで理解できるし、日常会話はもちろん、仕事上のやりとりでも困ることはまずない。英語圏の外国人には襟を正してきちんと話すのだが、シンガポール人同士できちんとした英語を使うと『なに気取ってんだ』という目でみられてしまう。親しみがわかないのだ」と。これってつまり、大阪で東京弁をしゃべると嫌われるみたいな話だという理解でよろしいんでしょうか?

 それはよくわからないけれど(笑)、経験上、シンガポーリアンとの交渉はジャパニーズ・イングリッシュの方が上手くいくという感じはありますね。ネイティブのようにきれいな発音で話そうとは思わずに、「私は日本人だ!」という感じで行った方が、交渉はうまくいくと思う。

――えっ、そうなんですか?

 そうですよ。英語でビジネスをしましょうという話になると、日本人はすぐ、やれ英検何級だとかTOEIC何点必要だとか言うでしょ。だけど、テストでいい点とるような人たちって、ある意味、交渉に必要な野武士的能力をそぎ落とされちゃっているところがあるんです。

――(むむっ、野武士?)

 日本人は言葉がスムースに出ないと「交渉相手に失礼だ」とか、そういうことを考えちゃうでしょう。そうすると、ますますしゃべれなくなって、交渉そのものもうまく行かなくなっちゃう。

――相手に合わせようとしすぎて、ペースを持って行かれちゃうっていうことですか?

 そういうことですね。それと、日本人が英語での交渉力を身につけたかったら、シンガポール人に学ぶのがいいと思いますよ。英語で交渉するっていうとアメリカ人がすごいと思いがちだけど、アメリカ人の場合、MBAを持っている人など一部はとても優秀だけれど、みなが高い交渉力を持っている訳じゃない。シンガポール人はもっと平均的に高いし、一般的なアメリカ人に比べて話し方もロジカルだと感じます。抽象的な語彙の理解力なんて、アメリカ人以上だと思う。それはどうしてかというと、教育のたまもの。小さい時から、そういう訓練を受けて育っているからですよ。

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メディア論で知られるマーシャル・マクルーハンは1960年代、「グローバル・ビレッジ(地球村)」という概念を提唱し、大いなるセンセーションを巻き起こしました。世界がやがて1つの村のようになるという彼の予言はすっかり現実のものとなり、わたしたちに様々な意識変革を迫っています。

物理的・経済的に世界との距離が縮むほど、心理的・文化的には目に見えない摩擦が増えていくもの。村におけるご近所づきあいのコツは、信頼できる茶飲み友だちに聞くのが一番。という訳で、“村の掟”に詳しいご近所さんやその道のツウを探し、訪ねてみることにしました。21世紀を生きるビジネスパーソンには欠かせない、世界との良好なつきあい方を探っていきます。

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